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2013年1月17日木曜日

『武道修行の道 ー 武道教育と上達・指導の理論』(南郷継正、三一新書、1980)は繰り返し読み込んだ本 ー 自分にとって重要な本というのは、必ずしもベストセラーである必要はない


『人生でもっとも重要なことは●●で学んだ』、こういうタイトルの本は、あるときから目につくようになりましたよね。

わたしの場合は、「●●」に入るのが、「合気道」です。

大学時代、合気道の技(わざ)を習得するために稽古に打ち込んでましたが、ほとんどテキストを読んだことはありません。

実技系というのは、本を読んで「畳の上の水練」をするよりも、実際にカラダを動かして、カラダに覚えさせることのほうがはるかに重要だからです。

カラダが自然に動くまで鍛え上げなければ、技を習得したとはいえないからです。とくに武道はそうですね、ブルース・リーの名言 "Don't think, feel" ではないですが、考えていては遅いのです。しかし、そう言えるようになるのは、考えるステージを超えて、「達人」の域に近づいてからでしょう。

大学三年の夏になって主将に指名されてからは、技(わざ)以外に、下級生を指導し、リーダーシップを発揮して、合気道部をマネジメントする必要に迫られました。マネジメントするということは、技は技でも、異なる性格の技ですね。スキルでありマインドセットです。

幸いなことに、もともと商科大学から発展した、学部が4つしかない小規模大学であったために、学部をこえた友人関係があり、商学部経営学科の人間からは「耳学問」で、いろんな知識を仕入れていたのが、じつに役に立ちました。

まさに「門前の小僧習わぬ経を読む」、ですね。「耳学問」で得た知識を実践で試してみる。こういう習慣は、この頃に身につけたものです。

マネジメント体験の原点もまた、必要に迫られて、実際に試行錯誤しながら身につけていったことにあったわけです。

社会人になってからは、銀行系のコンサルティングファームに入社したので、多忙な業務のなかで泥縄的に勉強せざるをえないはめになりましたが、いわゆる「ビジネス書」よりも、はるかに影響を受けたのが、『武道修行の道』という本です。

『武道修行の道』(南郷継正、三一新書、1980)は、副題が「武道教育と上達・指導の理論」というもので、著者の南郷継正(なんごう・つぐまさ)氏は、武道理論家というめずらしい存在。空手の実践家ですが、一般的な知名度は高くないと思います。わたしも、社会人になってから、たまたま書店の店頭で手にとって、はじめてその存在を知りました。

とくに重要なのは、「負けの構造を知る」、「技の量質転化」、「心と技の相互浸透」などなど。これは、武道に限らず、技の習得にかんしてはすべての分野で適用可能なものだと実感しています。他分野への「ヨコ展開」が可能ということですね。

とかく精神主義や右寄りとみなされがちな武道の世界で、左寄り(?)な唯物弁証法で武道を理論的に解明するという試みは、きわめて異質な印象を受けるかもしれません。

武道館関係者でも知らない人も少なくないと思いますが、自分にとって重要な本というのは、必ずしもベストセラーである必要はないのです。

この本もまた、なんども繰り返し読んで、自分の血肉となったものです。




目 次

まえがき

第一編 現代武道論批判-上達の過程と方法
 第一章 少林寺拳法の欠陥を論ず-技の発展とは何か
 第二章 大相撲の欠陥を輪島に見る-上達の科学的解明とは何か
 第三章 合気道の欠陥は何か-総合武道論の横行
 第四章 始祖嘉納から見る柔道の欠陥-何故に柔には極意がないのか
 第五章 現代空手道批判-科学としての空手道の探求によせて
第二編 修行と指導の論理
 第一章 指導の論理性とは何か-組織の原理と指導の論理
 第二章 歴史性ある指導者とは何か-我が組織における指導と発展について

あとがき

著者プロフィール

南郷継正(なんごう つぐまさ)
日本の空手家、日本武道空手玄和会創始者および師範、日本弁証法論理学研究会主宰。1933年、宮崎県生まれ。日本武道空手玄和会を創設後、半世紀にわたって武道・武術を指導する。自ら築き上げた「唯物論的弁証法」「認識論」を媒介とすることで、武道・空手を科学として人類史上初めて説き、武道哲学および武道科学を確立した。自らを各学問領域を網羅した哲学者と称する。1969年の冬、初めて面談の機会をえた師である哲学者・三浦つとむの紹介で吉本隆明主宰の不定期雑誌『試行』に連載「武道の理論」を掲載するようになる。著書多数。(wikipedia の記述から作成)。



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