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2013年7月20日土曜日

映画 『コン・ティキ』(2012年 ノルウェー他)をみてきた-ヴァイキングの末裔たちの海洋学術探検から得ることのできる教訓はじつに多い


映画 『コン・ティキ』(2012年 ノルウェー他)をみてきた。戦後ノンフィクションの傑作『コンティキ号探検記』(1951年)の世界初の実写版である。

ポリネシアの民はアジアからではなく、風と海流に乗って南米から渡来したという仮説を実証するために、みずからポリネシア伝来の筏(ラフト)を丸太で組み立てて5人の仲間とともに無謀とも思われた太平洋横断航海にでたヘイエルダール。それは大戦終結後の1947年のことであった。

さすがノルウェー人はヴァイキングの末裔。航海をつづけていくうちに金髪のひげもじゃになるかれらはまさにヴァイキングそのものだ。

学者でありながら冒険家でもあったヘイエルダール。海洋アドベンチャーそのもののような学術探検の記録。学術探検は山岳だけではなく海洋でも行われたのである。

コンティキ号とヘイエルダールの名前は、『コンティキ号探検記』をいまだ読んでいないわたしでもつよくアタマのなかに刻み込まれている。だから、1999年にノルウェーのオスロに行った際、迷わず「コン・ティキ博物館」(ミュージアム)を訪れて、そのヴァイキング的な冒険精神に浸ったくらいだ。

ヘイエルダールが南米からのポリネシア人渡来説を着想したのは、1937年から38年にかけてポリネシアのフォッツヒヴァにて夫婦(カップル)でフィールドワークを行っていた頃である。なにやらニューギニアで調査を行っていたポーランド人の人類学者ブロニスラフ・マリノフスキーを想起させる。

コン・ティキはポリネシアの神ティキからきているが、なんだか不思議な響きをもったコトバである。これは日本語人だけではなく、それ以外でもそうであるようだ。

コン・ティキ号に乗り込んだのはヘイエルダールの友人でノルウェー人とスウェーデン人。それぞれ航海や無線通信専門家などの専門家である。

そしてなかなか計画への賛同者があらわれずにへこんでいたヘイエルダールに元気を与えてくれたアメリカ人の営業マン。冷蔵庫の営業マンはGEの大型冷蔵庫を売っていたのだろうか、人生を変えたいので冒険に同行させてくれと頼み込む。営業スキルは海上では役に立つのかどうかわからないがヘイエルダールは乗船に同意する。

この映画は冒険映画であるとともに、小集団のチームワークとリーダーシップというテーマを描いた作品である。日本人による山岳の学術探検から川喜多二郎の「パーティー学」(・・小集団のパーティーのこと)や「KJ法」が生まれたように、小集団とリーダーシップというテーマは海洋の学術調査であっても同様だ。

小集団とは人間関係が濃密に展開される場である。しかも、山岳の場合もそうだが、海洋の場合、行動の自由がより制約されるので、ささいなことで人間関係が悪化する可能性も大きい

ネガティブな思考にもとづく発言や行動は命取りになりかねない。だからこそ、なによりもリーダーが信念を持ち続けること、そしてそのリーダー以下すべてのチームメンバーが目的とその成功を信じること(have faith)が大事なのだ。

そういう観点でこの映画をみると、おなじくノルウェー人の探検家アムンセンが南極探検を成功させたことが想起されるのである。この映画から導きだせる教訓はきわめて多い。チームメンバーのあいだのフラットな関係と、同時に信念をもって最後までやりぬくリーダーシップが不可欠であるということを。

科学的仮説の実証という探検、海洋における冒険の成功と裏腹に、それとセットになった人生という冒険における苦い現実。「二兎を追う者は一兎も得ず」というが、人生における「選択」の意味について語った映画でもあるのだ。

ロケはノルウェー、マルタ、ブルガリア、タイ、アメリカ、スウェーデン、モルディブで行われたが、撮影がじっさいに海で行われただけに臨場感がすばらしい。見どころのある内容充実した映画である。

冒険譚の映画化としてはじつによくできた内容だが、そこにとどまらずさまざまな意味を感じることができるのは原作のノンフィクションが優れた内容だからだろう。原作もこの機会にぜひ読んでみたいと思う。

ただし、ヘイエルダールが実証しようとした仮説の意味合いについては留保しておく必要はあろう。

ペルー人じたいがアラスカを経由してアジアから移り住んだアジア人の末裔であるので、ポリネシア人の起源がペルーあろうとアジアであろうと、いずれにせよアジア起源であることは間違いないからだ。この点については、日本の探検家・関野吉晴氏が「グレートジャーニー」において南米の先端からアフリカまで歩いて、アジア人の移動について実証していることをつけくわえおこう。関野氏はさらに海洋冒険にも取り組んでいる。

とはいえ、学術上の仮説をみずからもかかわった冒険という形で実証したその冒険精神こそが現在においても高く評価されるのである。なんせヘイエルダールは泳げなかったのだ!

子ども向けの冒険映画とはみなさず、ぜひ大人に見ていただきたい映画である。大人こそ冒険しなければならないからだ。

なお、日本公開版のセリフはすべて英語である。








<関連サイト>


「コン・ティキ博物館」(The Kon-Tiki Museum)
・・ノルウェーの首都オスロにある「コン・ティキ博物館」。facebookページはこちら。

太平洋を1年以上も漂流か、エルサルバドルの漁師が「奇跡の生還」 (ロイター 2014年2月4日)
・・「太平洋上に浮かぶマーシャル諸島に流れ着いた中米エルサルバドル出身の漁師が、1年以上も漂流していたと語り注目を集めている。魚や鳥を素手で捕まえたり、ウミガメの血を飲んだりしながら、生き延びていたという」  まさに意図せざるコンティキ号だ


<ブログ内関連記事>

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・・ノルウェーの探検家アムンセン

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・・楽園タヒチ

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・・さらばラバウルよ

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(2012年7月3日発売の拙著です)





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