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2012年1月28日土曜日

玉川大学の 「植物工場研究施設」と「宇宙農場ラボ」を見学させていただいた-一般的な「植物工場」との違いは光源がLEDであること!



本日(2012年1月28日)、玉川大学の 「植物工場研究施設」と「宇宙農場ラボ」を見学させていただきました。教育諮問委員を拝命していることもあって、見学をお願いしていたところ、本日ようやくその願いが実現したというわけです。

玉川大学農学部で研究開発がすすんでいるのは、「LED(=発光ダイオード)を光源にした植物工場」。これは世界最先端の技術です。現在は、先端技術の化研究開発施設である Future Sci Tech Lab で研究開発中です。  

最近のニュースとしては、通常タイプの「植物工場」が「3-11」の被災地でも導入されています。津波による塩害や原発事故による放射能によって、農地が使用できなくなってしまっているためです。このケースでは従来型の太陽光を光源として利用するタイプです。

玉川大学の「植物工場」が、一般的な「植物工場」となにがどう違うかというと、光源にLEDを使用することによって、より計画的、安定的な「農業の工業化」を推進することができることにあります。

太陽光はコストゼロの無料のエネルギー源ですが、いかんせん気象条件や気象状況によって左右されがちという欠点があります。東北地方の太平洋側は、豪雪地帯の日本海側と比べると比較的、天気は安定していますが、それでも一年365日をとおして、一日24時間をとおして一定しているわけではありません(・・もちろん夜間は日は照りません)。

これを技術的に解決しようというのが、LEDを光源として利用する「植物工場」なわけです。

玉川大学のウェブサイトに解説があるので引用しておきましょう。


植物工場研究施設では、都心のビルでも地下室でも作物が栽培できる新しい農業技術の開発をめざし、無農薬で安全な作物生産の実証実験を行います。またそれを広く紹介するための情報発信施設の役割を担います。室内には多段式水耕栽培システムを設置し、植物栽培用に新しく開発したダイレクト水冷型ハイパワーLEDパネルを光源にして、レタス、サラダナ、イチゴ、トマトなどの栽培実験を行います。宇宙農場ラボでは、宇宙ステーションや惑星基地において作物を栽培できるシステム開発を行います。ここでは植物にとって擬似的な無重力状態を作り出す栽培装置や、減圧下での水耕栽培システムを設置し、仮想宇宙空間での作物栽培実験を行います。

"LED" で育てる新しい農業のかたち
 新しい農業の形として植物工場が注目されています。天候に左右されず、効率的かつ安全に作物を生産するこのシステムは、食料不足が予想される将来、世界的に必要不可欠な技術と考えられています。現在、蛍光灯や高圧ナトリウムランプを光源とした植物工場が提案されていますが、植物工場研究施設では、世界で初めてダイレクト水冷システムを導入したハイパワーLEDを主光源としたシステムを構築しました。これは波長制御がしやすいというLEDの特長を活かしながら、きわめて高い光出力とLEDチップの耐久性を両立させた技術であり、LEDの特長を植物工場にうまくフィットさせた実用的なシステムといえます。

 植物工場における要素技術は、宇宙空間での食料生産を可能とする宇宙農場を実用化する技術でもあります。「宇宙農場ラボ」と名付けた実験室では、宇宙ステーションや火星などの惑星基地での食料生産をめざし、LEDを光源とした擬似的な無重力条件での植物栽培実験や、大気圧の十分の一以下の低圧下で植物の生育を可能とする栽培システムの開発を行い、宇宙空間での作物栽培をめざした研究を推進します。


また、"LED" で育てる新しい農業のかたち(学術研究所生物機能開発研究センター 農学部生命化学科 渡邊博之教授)という記事もたいへん参考になります。

本日は、その渡辺教授にもお時間をいただいて、いろいろ質問させていただきました。

お話のなかで印象が強かったのが、LEDは家庭用の照明器具むけとしてはさておき、工業用として使うにはいろいろと問題があるようですね。LEDは発する熱を冷却するために、風冷方式や水冷方式を採用したとのことです。

LEDの技術的な問題が、ようやくクリアできてきたそうですが、最初に取り組み初めてから、ここまでくるのに20年近くもかかったとのこと。

ちなみにこのレタス、収穫されてから3日のものですが味はいいですよ。3週間は長持ちする(!)とのことです。クリーンルームでの水耕栽培ですから、害虫や病気の心配もないのが「植物工場」で収穫された野菜です。

豪雪のため日照時間の短い冬期の日本海側や、高緯度のため冬期の日照時間の短い英国や北欧などの地域(・・南半球も同様)では、新鮮な野菜を供給することができるシステムとして、LED利用の植物工場が有望ではないかと質問したところ、実際に日本でも東北地方のある県で取り組みが始まっているという答えをいただきました。

富士山噴火による噴煙が関東平野を覆う事態も「想定内」に入ってきています。日照時間が短くなる事態に備えて、LED型植物工場の普及は、いまや喫緊の課題ですね!

わたし自身は植物工場のビジネスに直接かかわっているわけではありませんが、もともと小学生の頃から野菜づくりをやっていたことや、大学での専攻は本来は生物学にするつもりだったので「植物工場」には多大な興味をもっています。

技術(テクノロジー)によって社会問題の解決を行うとともに、ビジネスとしても両立することになれば、「農業の工業化」は、たいへん頼もしい技術開発といえますね。

まだ、量産化の段階には入ってませんが、そのメドがついてきたということでたいへん楽しみな話です。今後も要注目の技術開発ですね。





PS 玉川大学のLED農園「サイテックファーム」が完成

2013年1月26日にLED農園「サイテックファーム」(Sci Tech Farm TN Produce)を見学してきた。いよいよ研究段階から量産段階に入ってきた。
2月1日から小田急沿線にあるスーパーマーケット小田急OXでレタスの販売開始であるという。乞うご期待。 (2013年1月27日 記す)

⇒ 東京都・玉川大学などがLEDの光で栽培した未来のレタスが発売開始 (マイナビ、2012年12月13日)



<関連サイト>

拝見、最新式「植物工場」-人工の光と水と土で安心な野菜づくり (PRESIDENT 2013年2月4日号)

スマートアグリ先進国 オランダ式「強い農業」を学べ(動画 ワールドビジネスサテライト 2013年7月18日放送)

安倍首相も驚いたオランダ植物工場-半世紀の貿易競争で磨いた強さの秘訣 (日経ビジネスオンライン、2014年5月12日)



<ブログ内関連記事>

書評 『植物工場ビジネス-低コスト型なら個人でもできる-』(池田英男、日本経済新聞出版社、2010)

三度目のミャンマー、三度目の正直 (3) インレー湖のトマトがうまい理由(わけ)・・屋外天然の水耕栽培なのだ!(インレー湖 ②)



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