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2009年7月16日木曜日

書評 『中国動漫新人類-日本のアニメと漫画が中国を動かす-』(遠藤 誉、日経BP社、2008)-中国に関する固定観念を一変させる可能性のある本




■中国に関する固定観念を一変させる可能性のある本■

 画期的な中国本が出現した、といえよう。読者の中国に関する固定観念を一変させる可能性のある本である。

 ネット上の「日経ビジネス・オンライン」に連載され、日経BP社から出版された本だが、ビジネスマンに限らず、中国の深層でいま何が変化しているのかを知りたい人にとって熟読すべき一書だといってよい。

 「動漫」とは、中国語でアニメとマンガをひとくくりにした表現のこと。

 物心がつくかつかないかの頃から海賊版(!)をつうじて日本のアニメやマンガに出会い、10代から20代前半という人生のきわめて多感な時期に、圧倒的な影響を受けてきた現代中国の若者たち・・・。こういう若者たちが、厚い層をなして存在するのが現代の中国である。

 この事実を明らかにし、日本語で読める形で書いていただいたことは、著者の最大の貢献である。きわめて意義ある仕事をしていただいたと感謝したい。

 著者は、あの『卡子(チャーズ)-出口なき大地 1948年満州の夜と霧-』で作家デビューした遠藤誉(えんどう・ほまれ)である。

 1941年中国の長春で生まれた彼女は、1953年に帰国するまで中国を現地で体験し、中国語にも中国人にも精通している。また、物理学者としてキャリアを積んだ人だけに構成も文章もきわめてロジカルで読みやすい。

 そして何よりも直接インタビューによって、自分にとっては孫にあたる若い世代のナマの声を伝えていることが重要だ。さまざまな人脈をたどって、一次情報源から得られたこの事実の重み、そして事実のもつ説得力。

 また、著者とともに新たな発見の場に立ち会うという、臨場感も味わうこともできる。


 読者が当然疑問にもつであろう「反日問題」についても、著者はぬかりなく一章をさいて扱っている。結論は、反日と日本動漫愛好は、現代中国の若者の心のなかで、矛盾することなく両立している、というものである。

 詳しくは直接手にとって読んでいただきたいが、戦後民主主義のもと、政治よりも恋愛を含めた日常生活を楽しむ姿を描いてきた日本の海賊版「動漫」は、確実に中国の青少年の意識変革の役割を、それも知らず知らずのうちに果たしてきたのである。

 米国のような民主化推進という政治的な戦略性を欠いているのだが、政治的に危険性の少ないと判断された日本の動漫が、実は意図せざる「民主化教科書」として機能してきたのは、中国政府にとっては大きな誤算であった。

 本書を読めば、彼ら中国の若者世代が間違いなく、中国民主化への意識せざる担い手であることがわかかるはずだ。

 本当の変化というものは、見えないところで確実に進行しているものなのだ。

 本書を読まずして現代中国を語るのは危険だ、という確信を私はもつにいたっている。


■bk1書評「中国に関する固定観念を一変させる可能性のある本」(2009年7月15日掲載)




PS 本書で展開された内容は、2014年現在はすでに「常識」になっていると思うが、いまでも読む価値のある本である。あらたに<ブログ内関連記事>を導入した。著者の関連本をぜひ読んでいただきたいと思う。 (2014年1月27日 記す)


<関連サイト>

遠藤誉が斬る(同天コラム)(連載 2013年10月2日から現在) 

「艦これ」の娘たちとはしゃぐ中国の若者 (中島 恵、日経ビジネスオンライン、2014年3月27日)
・・大日本帝国の艦船が登場する「艦これ」にはまる中国人のオタクたち、しかも南京(!)というのには心底から驚かされるが、これもまた現実なのだ

コクヨ、中国で「スラムダンク経営」に挑む アニメを活用してチームワークを醸成 (大城 昭仁 :インヴィニオチャイナ 総経理兼CEO、東洋経済オンライン、2014年10月27日)
・・「中国コクヨS&Tの社員アンケート「好きなアニメキャラクター」の結果は、1位が『名探偵コナン』の江戸川コナン。2位がドラえもん、3位以下にはルフィー、ゾロはじめ『ワンピース』の各キャラクター(作品別ではダントツ1位になるが、キャラクター別では票が割れた。)、『スラムダンク』『テニスの王子様』、そして『ちびまる子ちゃん』『NARUTO』『銀魂』などのキャラクターがランクイン。想像以上に幅広くて驚きの結果だった」

(2014年10月27日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

書評 『ネット大国 中国-言論をめぐる攻防-』(遠藤 誉、岩波新書、2011)-「網民」の大半を占める80后、90后が変える中国
・・「動漫新人類」は、まさにこの「80后」と「90后」がその中心である

書評 『拝金社会主義中国』(遠藤 誉、ちくま新書、2010)-ひたすらゼニに向かって驀進する欲望全開時代の中国人

書評 『蟻族-高学歴ワーキングプアたちの群れ-』(廉 思=編、関根 謙=監訳、 勉誠出版、2010)-「大卒低所得群居集団」たちの「下から目線」による中国現代社会論
・・この「80后」と「90后」がその中心である

書評 『チャイナ・ギャップ-噛み合わない日中の歯車-』(遠藤誉、朝日新聞社出版、2013)-中国近現代史のなかに日中関係、米中関係を位置づけると見えてくるものとは?

書評 『チャイナ・ジャッジ-毛沢東になれなかった男-』(遠藤 誉、朝日新聞出版社、2012)-集団指導体制の中国共産党指導部の判断基準は何であるか?

書評 『中国絶望工場の若者たち-「ポスト女工哀史」世代の夢と現実-』(福島香織、PHP研究所、2013)-「第二代農民工」の実態に迫るルポと考察

書評 『知的複眼思考法-誰でも持っている創造力のスイッチ-』(苅谷剛彦、講談社+α文庫、2002 単行本初版 1996)
・・「意図せざる行為」については、この本を熟読すべし

(2014年1月27日 情報追加)







(2012年7月3日発売の拙著です)








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