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2017年12月9日土曜日

映画 『悪魔祓い 聖なる儀式』(2016年、イタリア)を見てきた(2017年12月4日)-シチリアのパレルモの教会で行われる悪魔祓い(=エクソシスト)を描いたドキュメンタリー映画


映画 『悪魔祓い 聖なる儀式』(2016年、イタリア)を見てきた(2017年12月4日)。イタリア南部のシチリアのパレルモの教会で行われる悪魔祓い(=エクソシスム)の一部始終を記録したドキュメンタリー映画である。

エクソシストというと、映画『エクソシスト』のことを想起するだろうが、じっさいの悪魔祓いの現場は超常現象ではない。精神や肉体の病を抱えていながら、いかなる治療にも見放されたあげくにたどりついたラストリゾートともいうべき存在が悪魔祓いの執行者、すなわちエクソシストなのである。

カトリック国イタリアの場合は、カトリックの司祭が執り行う悪魔祓いになる。精神医学や心理療法では解決不能な問題が悪魔祓いによって解決されることもある。ただし、解決までに至る期間は人によって大いに異なる。

このドキュメンタリー映画は、背景説明もほとんどなく、悪魔祓いを行う老司祭と、悪魔祓いの対象となる人(・・女性が多い)と、その家族のやりとりを映像と音声として記録したものだ。全編がほぼ悪魔祓いの祈祷と会話でのみ成り立っている。

普段はふつうに日常生活を送っている快活な人たちが、教会で行われる悪魔祓いの儀式に参加すると、突然大声を出して暴れ出したり、地面に這いつくばって獣のような行動を示したりする。あまりの変貌ぶりには、正直いって驚かざるを得ない。衝撃的といってもいいだろう。



こういう書き方をすると、たんなる興味本位の映像作品のような印象を与えてしまうかもしれないが、悪魔祓いの対象者の人生をそのものが視野に入ってくることで、興味本位の関心ではない関心が見る者のなかに生まれてくるだろう。

とはいえ、突然の大声での絶叫には、映画を見ながら眠気をもよおした者も驚かさずにはいられない。悪魔が憑依していると思い込んでいる人たちも、教会で悪魔祓いの儀式が始まったとたんに悪魔が目覚めることになる。そういう状況のなかで、あくまでも冷静にかつ情熱を込めて祈祷文を繰り返しクチにする老司祭の姿が印象的だ。

悪魔祓いで使用される祈祷文は何度も繰り返されるだけでなくシンプルな祈願文なので、字幕を見ているとイタリア語も理解できてしまうくらいだ。つまり、悪魔祓いの儀式自体はきわめて単調なものだ。悪魔祓いによって喚起される「悪魔」と、悪魔祓いそのものは同じではない。

映画の原題は Liberami(リベラーミ)、イタリア語で「わたしたちに届けてください」という意味だ。その意味は、映画をみて考えてみるといいだろう。

(イタリア版ポスター 伝統的な悪魔のイメージが投影)

先日は、NHKのBSでも 『世界神秘紀行「イタリア エクソシスト VS.悪魔』というドキュメンタリー番組が放送されている(2017年8月5日)が放送されており私も視聴したが、映画 『悪魔祓い 聖なる儀式』(2016年)とは異なる対象を取材しているので、悪魔祓いの「事例」としては映画も見る価値がある。
 
なぜ現代人が悪魔祓いに救いを求めるのか、そしてなぜ悪魔祓いを求める需要が増大傾向にあるのか、その理由は映画ではよくわからないが、そういう傾向が確実にあるということは明らかなのだ。

悪魔祓いは、けっして超常現象でも、過去の中世の話でもない。いま、まさに現在のイタリアではさかんに実行されていることであり、映画の最後の方でローマでの研修会のシーンを見ればわかるように、世界中のカトリック司祭が関心を抱いて研修に参加しているのである。

なかにはアフリカ人司祭たちや、フィリピン人かベトナム人かとおぼしきアジア人司祭たちも映画に登場していた。ちなみにカトリック人口の多い韓国では、『プリースト 悪魔を葬る者』(2016年)という映画が製作されている。悪魔祓いは、シャマニズム傾向の強い韓国では関心も高いのであろう。

たんなる興味本位の関心からでもいいが、このドキュメンタリー映画をみることは、現代人が抱えている心の問題を考える一つのアプローチになることは間違いない。







<関連サイト>

映画 『悪魔祓い 聖なる儀式』(公式サイト)

Liberami, clip del film (イタリア語版 YouTube映像)


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(2017年12月10日 情報追加)



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