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2017年9月4日月曜日

「教養」を身につけたかったらリアル書店で無料配布している『岩波文庫解説目録』を熟読せよ!

(最新版の「岩波文庫解説目録」 2017年は岩波文庫創刊90年)

「教養」を身につけたかったらリアル書店で無料配布している『岩波文庫解説目録』を熟読せよ!

『岩波文庫解説目録』。これ一冊を熟読すれば、いわゆる「教養」はかならず身につくはずだ。

岩波文庫は、古今東西の「古典」を網羅しているから、その解説文を読んでいるだけで、その本の概要がわかるのである。

もちろん、「教養」=「知識」と考えればという前提ではあるが、「教養」は「知識」のベースがなければ成り立たない。

岩波文庫をそんなに読んでいなくても問題はない。わたし自身は、中学生の頃から岩波文庫を読むようになったが、『岩浪文庫解説目録』はその頃の愛読書であった。その頃の解説目録は「1975年夏」のもの。手垢で真っ黒になっている(下の写真)。

(かつての「愛読書」 マイコレクションより)

その頃はまだ文庫本ブーム以前の時代で、角川文庫もエンターテインメント路線ではなく、新潮文庫も文芸路線であり、岩波文庫が日本の文庫本のモデルであった。より現代に近い教養路線のものとしては「現代教養文庫」があったが、出版社の社会思想社が倒産したため、いまはもうない

そういう事情もあって、岩波文庫は昭和2年(1927年)の創刊以来90年、日本人にとっての「教養」のベースを提供し続けてくれている。これは版元の岩波書店の「戦後」の政治姿勢とは関係ない、「戦前」から引き継いだ日本人にとっての大きな財産というべきである。

なにごとも是々非々で望むべきである。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」なんていうのは愚か者の戯れ言である。「戦前」の岩波書店と、「戦後」の岩波書店は、連続しているが、不連続の側面もある。

(1977年は岩波文庫創刊50年 マイコレクションより)

その昔、岩波文庫だけでなく角川文庫も新潮文庫も文庫本カバーがなかった時代、文庫本を覆っていたのはパラフィン紙で、その下に帯があった。青・緑・黄・白・赤の色分けの帯は、それぞれ思想・日本近代文学・日本古典文学・社会科学・外国文学に対応していた。岩波文庫は、現在でもカバーに色は反映させている。

その帯には、本の内容が簡潔に記されていた。これは岩波文庫ならではのものであった。角川文庫や新潮文庫の帯には内容要約は記されてなかった。


岩波文庫の場合は、内容紹介は三行で、これがそのまま現在でもカバー表紙に印刷されている。これは読者にとってはじつにありがたいことだ。

ではじっさいにどのような文言が書かれているのか、比較的ここ数年の新刊を中心に紹介しておこう。岩波書店の公式サイトから引用しておこう。


『重力と恩寵』(シモーヌ・ヴェイユ、冨原真弓訳、2017)
https://www.iwanami.co.jp/book/b281715.html 
たとえこの身が汚泥となりはてようと,なにひとつ穢さずにいたい──絶え間なく人間を襲う不幸=重力と,重力によって自らの魂を低めざるをえない人間.善・美・意味から引きはがされた真空状態で,恩寵のみが穢れを免れる道を示す.戦火の中でも,究極の純粋さを志向したヴェイユの深い内省の書.その生の声を伝える雑記帳(カイエ)からの新校訂版.

『物質と記憶』(ベルグソン、熊野純一訳、2015)
https://www.iwanami.co.jp/book/b270887.html 
精神と物質,こころと身体の関係.アポリアと化した〈心身問題〉にベルクソンが挑む.実在論や観念論の枠組みを離れて最初から考え直してみること.そのためには問題の立て方じたいの変更が求められる.身体は生きるために知覚し,精神は純粋記憶のなかで夢みている.生の哲学から見られたときに現れる新たな世界像とは.新訳

『中国中世史』(内藤湖南、2015)
https://www.iwanami.co.jp/book/b270879.html 
日本の東洋学の祖・内藤湖南(1866-1934).彼の時代区分論は日本のみならず世界的な評価を受けている.本書は唐末五代を中世から近世への過渡期とみなすだけでなく,明清時代へと続く近世中国の特質が宋代から元代にかけて形成されたと論じる.具体的な史実に即した平明な叙述のなかに独創的で鋭い洞察に満ちた内藤史学の代表作.(解説・注=徳永洋介)

(カバー表紙に印刷されている文言と目録の文言は若干だが違いがある)


「青」に分類されるものから実例を紹介しておいたが、どうだろうか。いっけん取っつきにくい思想関係の本も、この内容紹介を読めば、なんとなく内容がわかったような気分になるだろう。さらに読んでみようという気になるかもしれない。じつに巧みな内容紹介ではないか!

個々の文庫本の解説については、岩波書店の公式サイトじたいがデータベースとなっているので検索すれば該当箇所を読むことができるのだが、いかんせん、いわゆる「古典」」そのものを前後関係をも含めて全体としてつかみとることには適していない

(「解説目録」よりギリシア哲学のページ)

その意味では、印刷版の小冊子である「解説目録」は有用であるといえよう。しかもリアル書店の店頭では最新版が「無料」で配布されているので、もらっておいて損はない。これは、電子辞書と紙に印刷された辞書との違いにも該当することだ。

『岩浪文庫解説目録』で「教養」を身につける。時代錯誤(?)かもしれないが、ぜひ実践してほしいと思う。







<関連サイト>

岩波文庫創刊90年にあたって――岩波文庫は,これからも進化し続けます (岩波書店公式ウェブサイト)


<ブログ内関連記事>

本の紹介 『阿呆物語 上中下』(グリンメルスハウゼン、望月市恵訳、岩波文庫、1953) ・・旧版のパラフィン紙時代の岩浪文庫はこんな感じ

ビジネスパーソンに「教養」は絶対に不可欠!-歴史・哲学・宗教の素養は自分でものを考えるための基礎の基礎

世の中には「雑学」なんて存在しない!-「雑学」の重要性について逆説的に考えてみる

「生誕130年 橋口五葉展」(千葉市美術館) にいってきた(2011年7月)
・・1927年創刊の岩浪文庫のブックデザインは橋口五葉が担当している

書評 『全体主義と闘った男 河合栄治郎』(湯浅博、産経新聞出版、2016)-左右両翼の全体主義と戦った「戦闘的自由主義者」と戦後につながるその系譜
・・現代教養文庫は河合栄治郎の後継者たちが「戦後」につくった社会思想社が発行していた




(2017年5月18日発売の新著です)


(2012年7月3日発売の拙著です)







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