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2016年10月23日日曜日

「ガスパール・カサド没後50年 原智恵子没後15年記念演奏会」(玉川大学 University Concert Hall)にいってきた(2016年10月23日)


「ガスパール・カサド没後50年 原智恵子没後15年記念演奏会」(玉川大学 University Concert Hall)にいってきた(2016年10月23日)。委員を務めているので招待をいただいた。

正式名称は非常に長い。「2016年 「玉川大学教育博物館ガスパール・カサド 原智恵子コレクション目録」公開記念 The Memorial Festival ガスパール・カサド没後50年 原智恵子没後15年記念祭 記念演奏会-今よみがえるカサドと智恵子の音色」。

原智恵子氏から玉川大学教育博物館に寄贈されたカサドと原智恵子夫妻の遺品のコレクションの整理が完了し、その目録が完成したことを記念して行われたフェスティバルの一環として、チェリストであり作曲家でもあったカサドの作品を演奏するコンサートが開催されたということなのだ。

詳細は以下の通り。

●開催日: 2016年10月23日(日)
●時間: 14:00 開演 13:30 開場(終演 17時前)
●会場: 玉川大学 University Concert Hall 2016 大ホール(大学構内)
●プログラムと出演者
 ① カサド: 無伴奏チェロ組曲 堤 剛(チェロ)
 ② ショパン: ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58 中井 正子(ピアノ)
   ※原智恵子のピアノ(スタインウェイ)を使用 【没後初・夫妻使用の楽器共演】
 ③カサド: レクイエブロス(親愛の言葉) ほか ドナルド・リッチャー(チェロ) 松川 儒(ピアノ)
   (休憩) 
 ④カサド: 緑の悪魔の踊り 香月圭佑(チェロ独奏)
 ⑤カサド: チェロ協奏曲 *世界初演!ベアンテ・ボーマン(チェロ独奏) *指揮:野本由紀夫 *管弦楽:玉川大学管弦楽団

スペイン出身(・・正確にいうとカタロニアのバルセローナ出身)のチェリストであるガスパール・カサド(1897~1966)。おなじくバルセローナ出身のカザルスの弟子である。

現役のチェリストとしては、ヨーヨー・マやミッシャ・マイスキーといった人たちが世界的に著名でわたし自身もファンであるが、残念ながらカサドについては、それほど知っていたわけではない。ましてやカサドが作曲家でもあったことは知らなかった。2016年時点ですでに没後50年ということであるから仕方ないかもしれない。

(玉川大学 University Concert Hall 2016  筆者撮影)

そんなわたしであるが、今回のコンサートに出かけることにしたのは、原智恵子(1914~2001)という「伝説の日本人ピアニスト」に関心があったからだ。

原智恵子の名前を知ったのは、『原智恵子 伝説のピアニスト』 (石川康子、ベスト新書、2001)が出版されたから。購入してすぐに読んだわけではないが、「伝説の日本人ピアニスト」という副題に大いに関心をそそられたのであった。だが、この出版直後の2001年12月11日に原智恵子は亡くなっている。奥付の出版日の10日後のことである。訃報記事のコピーをこの本に挟んでおいたのはそのためだ。

著者の石川氏は、配偶者の仕事の関係でイタリアのフィレンツェに住んでいたときに晩年の原智恵子の知遇を得たという。同時期には歴史作家の塩野七生もフィレンツェに住んでいた。だから帯には塩野七生氏の推薦文が掲載されている。

生きつくした女の一生、それも日本とヨーロッパの両方で生き仕事をした女の一生が、ここにはすべて入っています。 塩野七生(作家)

塩野七生氏の推薦文は文字通り受け取っていい。今回はじめて通読してみての感想だ。

原智恵子がどんな人だったかについては、『原智恵子 伝説のピアニスト』の紹介文を引用しておくのがいいだろう。

日本人ピアニストの草分けとしてショパンコンクールにはじめて入賞し、戦前戦後を通じて聴衆を魅了、世界から「東洋の奇跡」とまで称えられ、わが国クラシック界で一世を風靡した美貌のそのひとこそ、原智恵子(1914年~)である。1959年にチェロの巨匠、ガスパール・カサドと再婚しておもな活動の場を海外に移してからは、欧米での名声は高まる一方、なぜかその名は日本の音楽界からは次第に消えてしまった・・・。

石川氏はk、原智恵子のことをデモーニッシュな芸術家と評しているが、その一言ですべてがわかるような気がする。再婚相手となったカサドもまたデモーニッシュな芸術家であったという。芸術のためにはいっさいの妥協を許さない姿勢。この姿勢があってこそ、チェロとピアノのたぐいまれな「デュオ・カサド」として評価されたのだ、と。

カサドも原智恵子も、ともに故人である現在、その演奏をライブで聴くことはできないが、今回のコンサートでは世界初演も含めたカサドの作品を中心に、原智恵子の弟子である中井正子氏による入魂のショパンを堪能することができた。ピアノは、原智恵子が使用していたスタインウェイを修復したものである。カサド作曲の世界初演のオーケストラ曲もまた、予想外にすぐれた作品であった。

玉川大学 University Concert Hallは、今年2016年に改築されたもの。音響がじつに素晴らしい。日曜日の午後、すてきな時間を過ごさせていただいた。







<関連サイト>

伝説のピアニスト 原 智恵子 ショパン ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品 11 第1楽章(YouTube)

Chieko Hara plays Chopin Piano Concerto No.1 Third movement (YouTube)


<ブログ内関連記事>

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(2012年7月3日発売の拙著です)







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