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2015年4月10日金曜日

「振り込め詐欺」はなぜなくならないのか?-ルポライター鈴木大介氏の『老人喰い』(ちくま新書、2015)と『奪取-「振り込め詐欺」10年史-』(宝島SUGOI文庫、2015)


『老人喰い』というすさまじいタイトルの本を読んだ。副題は「高齢者を狙う詐欺の正体」。著者は鈴木大介氏。2015年2月の新刊新書。
  
「「犯罪する側の論理」「犯罪現場の貧困問題」をテーマに、裏社会・触法少年少女たちの生きる現場を中心とした取材活動を続けるルポライター」(カバー裏の著者プロフィール)である。
    
なんで「振り込め詐欺」なんかに騙されるのだ、バカじゃないの? といつも思っていたのだが、なるほど、これでは「振り込め詐欺」がなくなることはないな、と読みながら納得。詐欺を実行する側のほうが、騙される側よりも、はるかに高度化しているからだ。これでは勝てるわけがない。
   
ほとんど「ビジネス」化し、「仕事」と化している振り込め詐欺の実態。ほとんど合資会社といっていいような「資本と経営の分離」の徹底した組織づくり、振り込め詐欺のプレイヤーたちのモチベーションを引き出す研修などには、ほんと驚かされる。
    
そのあと同じ著者による『奪取-「振り込め詐欺」10年史-』(宝島SUGOI文庫、2015)を読んだ。2013年に出版された単行本の文庫化のようだ。「振り込め詐欺元年」の2003年からの10年間における推移を密着取材に基づいて、読みやすくストーリー化したものだ。この本を読むと、振り込め詐欺の、背景も含めた全体像が見えてくる。

猛烈にモチベーションの高い振り込め詐欺のプレイヤーの若者たちと、「出し子」や「受け子」と呼ばれるいとも簡単に切り捨てられる末端、そして絶対に逮捕されない出資者たち。 これらが組織的に完全に「分断」されているために、いくら「出し子」や「受け子」が逮捕されても、組織の摘発にはつながらない。
   
あまりにもうまく構築され高度化をつづけてきた振り込め詐欺の「ビジネスモデル」(?)の実態を知ると、なんとも言えない気になってしまう。
    
改めて思う。詐欺組織の隆盛の背後にあるのは、日本の格差社会、高齢者に偏重する資産、末端にまで行き及ばぬ経済回復や、伸び悩む雇用、そして軽視される社会的弱者や子どもたちへの福祉だ。(「文庫版あとがき」 より)

根底にあるのは、現在の若年層の、老人世代とのいちじるしい経済的格差世代間格差が経済格差となっている現状。もちろんこれだけが原因ではないが、振り込め詐欺という社会的問題の背景にあるものを見つめる必要はある。
 
たとえ高齢者ではなくても、他人事と考えない方がよさそうだ。とくに『老人喰い』は、騙されたと思って買って読むことをつよく薦めたい。詐欺の被害金額に比べたら、書籍代など、たかがしれているから。 




『老人喰い』

目 次

第1章 老人を喰らうのは誰か-高齢者詐欺の恐ろしい手口
第2章 なぜ老人喰いは減らないか-(株)詐欺本舗の正体
第3章 いかに老人喰いは育てられるか-プレイヤーができるまで
第4章 老人喰いとはどのような人物か-4人の実例からみた実像
第5章 老人喰いを生んだのは誰か-日本社会の闇のゆくえ
あとがき




『奪取-「振り込め詐欺」10年史-』 

目 次

序章 オレオレ詐欺の萌芽
第1章 若年化する詐欺現場
第2章 天職・振り込め詐欺プレイヤー
第3章 番頭格から見た景色
第4章 下克上
第5章 詐欺組織の生存競争
第6章 詐欺マネーの行方
あとがき
文庫のためのあとがき
統計 特殊詐欺の被害総額・認知件数の推移
解説 鈴木智彦(ルポライター)


著者プロフィール

鈴木大介(すずき・だいすけ)
1973年千葉県生まれ。「犯罪する側の論理」「犯罪現場の貧困問題」をテーマに、裏社会・触法少年少女らの生きる現場を中心とした取材活動を続けるルポライター。著書に『家のない少女たち』『援デリの少女たち』『振り込め犯罪結社』(いずれも宝島社)、『家のない少年たち』(太田出版)、『最貧困女子』(幻冬舎新書)など。現在、「週刊モーニング」(講談社)で連載中の『ギャングース』(原案『家のない少年たち』)でストーリー共同制作を担当。



<関連サイト>

『最貧困女子』著者による迫真のルポ 『老人喰い-高齢者を狙う狙う詐欺の正体-』(出版元の筑摩書房のウェブサイト)


<ブログ内関連記事>

ヤミ金融

マンガ 『闇金 ウシジマくん ① 』(真鍋昌平、小学館、2004)-圧倒的な迫力。リアリティあるストーリーに迫力のある絵柄。読み出したら、眠気が一気に覚める

韓国映画 『嘆きのピエタ』(キムギドク監督、2012)を見てきた-「第69回ベネチア国際映画祭」で最高賞の金獅子賞を受賞した衝撃的な映画
・・主人公はヤミ金融の末端にいる取り立て人。これもまたリアリティある迫力にみちた作品


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泣く子も黙る IRS より督促状!? ・・ネット詐欺

有名人の「なりすまし」からの友達リクエストに要注意!-ビジネス用途のリンクトイン(LinkedIn)でも「419詐欺」が横行

「セルフブランディング」と「セルフプロデュース」、そして「ストーリー」で「かたる」ということ-「偽ベートーベン詐欺事件」に思う


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・・地球全体という、より広いパースペクティブで捉えるために。「ならず者経済」は、冷戦崩壊後の秩序崩壊時代の世界的現象。けっして日本だけの現象ではない


世代間格差と経済的格差

書評 『ゼロから学ぶ経済政策-日本を幸福にする経済政策のつくり方-』(飯田泰之、角川ONEテーマ21、2010)-「成長」「安定」「再分配」-「3つの政策」でわかりやすくまとめた経済政策入門書




(2012年7月3日発売の拙著です)











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