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2014年7月28日月曜日

「第一次世界大戦」の勃発(1914年7月28日)から100年-この「世界大戦」でグローバル規模のシステミック・リスクが顕在化

(1914年当時の軍事同盟 wikipediaより)

本日(2014年7月28日)は、第一次世界大戦が勃発してから100年になる。だが最初から「第一次世界大戦」という名称だったわけではない。まさか「世界大戦」になるとは、その時点では誰も予想すらしていなかったのだ。

1914年6月28日、オーストリア=ハンガリー二重帝国(=ハプスブルク帝国)の皇太子夫妻が暗殺された。あらたに帝国の版図に編入されたバルカン半島のセルビアの首都サラエボで銃撃を受け暗殺された。いわゆるサラエボ事件である。

それから1ヶ月後の7月28日、ついにハプスブルク帝国はセルビアに対して宣戦布告する。懲罰的な対セルビア10箇条要求を7月23日につきつけ、48時間以内の回答をを求めたが、セルビア側は条件付き承諾を回答、オーストリアは7月25日に国交断絶に踏み切ってから三日後のことであった。

だが、まさかこの皇太子暗殺という事件が(・・それはけっして、ささいなものではないが)、「世界大戦」にまで発展するとは、誰も考えることはなかっただろう。

連鎖的に同盟関係と敵対関係にあった欧州各国を戦争に巻き込み、さらには遠く日本や米国まで巻き込んで文字通り「世界大戦」と化していったのである。もう少し、「世界大戦」に至る数日間のプロセスを簡単にたどっておこう。

1914年7月28日にセルビアに対して宣戦布告したオーストリアだが、そのセルビアの後見人となっていたのが、おなじスラブ民族のロシアであった。この構造は、冷戦構造崩壊後の20世紀末に勃発したユーゴ紛争とおなじである。

ロシア帝国の軍部は戦争準備を主張、皇帝ニコライ2世を突き上げる。その結果、ロシア帝国は7月31日に総動員令を発令、ドイツ帝国による動員解除要請には応じなかった。

オーストリアと秘密軍事同盟である「三国同盟」(Triple Alliance 1888年締結)を結んでいたドイツは(・・もう一カ国はイタリア)、その翌日の8月1日に総動員を発令8月2日にはロシアに対して宣戦布告、さらに8月3日にはフランスに対して宣戦布告する。

一方、フランスはそれぞれロシア帝国と大英帝国とのあいだの二国間関係をベースにした「三国協商」(Triple Entente)にあり、8月1日に総動員令を発令する。大英帝国は、ドイツ軍のベルギー侵入を確認すると、8月4日にドイツに宣戦布告する。

7月28日から8月4日までの8日間で、欧州の主要大国が戦争に突入したのである。「つながり」があるゆえに引き起こされた惨事、これはまさにシステミック・リスが顕在化したというべきだろう。

しかも、戦争が始まったとき、それは「第一次世界大戦」ではなかった。「世界大戦」ですらなかったのである。「第一次」という接頭語がついたのは、次の「世界大戦」が20年後に勃発したからだ。それ以前は、名称は定まっていなかったらしい。「第一次世界大戦」の前には「世界大戦」は存在しなかったのである。

最初はオーストリアとセルビアのあいだの戦争が、同盟関係や協商関係などのアライアンスを結んでいた国に飛び火して「欧州大戦」となり、これに植民地が動員され、さらには日英同盟にもとづいて日本が参戦し、最終的にはアメリカも参戦に踏み切ったことで、文字通りの「世界大戦」となったのである。

まさにシステミック・リスクの顕在化といえるのではないか。システミック・リスクとは、一部の不具合や機能不全がシステム全体に連鎖的に波及するリスクのことをいう。おもに金融の世界でいわれているが、金融ネットワークに限らず、電力ネットワークやグローバル・サプライチェーンなど、ネットワークでつながったシステムで発生する可能性がある。

2011年の「3-11」という東日本大震災後のサプライチェーンの機能麻痺が部品調達が困難なため製造ラインがストップするという形で顕在化したことは記憶にあたらしい。おなじ年に発生したタイの大洪水においても同様であった。

「第一次世界大戦」においては、アライアンス関係を結んでいた国々が連鎖的に戦争に巻き込まれていった。わずか数日のプロセスである。

一国の皇太子が暗殺されるという事件は、けっしてささいなものではなかったが、それでもその事件がキッカケとなって勃発した「世界大戦」は、4年間で未曾有の大被害をもたらした。全世界で戦闘員の戦死者が900万人、非戦闘員の死者が1,000万人。負傷者は2,200万人と推定されているという。

戦没者だけでなく伝染病による死者も大規模にのぼっている。大戦末期の1918年に発生したスペイン風邪が人類史上初のパンデミッックとして世界的に猛威をふるい、戦没者を上回る病没者が発生している。戦闘による死と病没者には重複があるが、スペイン風邪による死者は全世界で5,000万人を超えたといわれている。グローバルな海運の発達が、インフルエンザの世界的大流行をもたらしたのであった。

「世界大戦」は全世界がネットーワークによってつながっているがゆえのことであった。さすがに「第二次世界大戦」も体験している以上、さらなる「世界大戦」の発生は抑止しなくてはならないというコンセンサスが世界的にできあがっているが、その危険がゼロになったとは言い難い。

100年前よりもさらに交通機関が発達し、情報ネットワークも密接につながっている現在、システミック・リスクの危険はさらに増大しているというべきだろう。

21世紀の現在に第三次世界大戦が勃発するとしたら、それは2つの世界大戦のような肉弾戦ではなく、静かな戦争となるであろう。だが、もたらされる被害は大惨事になると予想される。

それは、コンピュータ・ウィルスよるパンデミックや、サイバー攻撃によって原子力発電所や金融、そして経済社会活動全体を麻痺させ破壊するという、ネットワークをつうじたシステミック・リスクを織り込んだものとなると考えるべきではないだろうか。

戦争は静かに、そして密かに進行するが、もたらされる被害は壊滅的となる可能性がある。



<ブログ内関連記事>

「サラエボ事件」(1914年6月28日)から100年-この事件をきっかけに未曾有の「世界大戦」が欧州を激変させることになった

書評 『未完のファシズム-「持たざる国」日本の運命-』(片山杜秀、新潮選書、2012)-陸軍軍人たちの合理的思考が行き着いた先の「逆説」とは
・・「日本からみたら、遠い欧州が主戦場となった「第一次世界大戦」は、一部の軍人が戦死した以外は、国民が巻き込まれて犠牲になることながったため、どうしても印象が希薄となりがちなのである。・・(中略)・・じつは軍人たちは、第一次世界大戦にきわめて大きな衝撃を受けていたのである! 」

「天災は忘れた頃にやってくる」で有名な寺田寅彦が書いた随筆 「天災と国防」(1934年)を読んでみる

製造業ネットワークにおける 「システミック・リスク」 について

スワイン・フルー-パンデミック、すなわち感染症の爆発的拡大における「コトバ狩り」について

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書評 『警告-目覚めよ!日本 (大前研一通信特別保存版 Part Ⅴ)』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2011)-"いま、そこにある危機" にどう対処していくべきか考えるために





(2012年7月3日発売の拙著です)









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