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2013年9月16日月曜日

映画 『ジュリー&ジュリア』(2009、アメリカ)は、料理をつくり料理本を出版することで人生を変えていった二人のアメリカ女性たちの物語



映画 『ジュリー&ジュリア』(2009、アメリカ)は、料理をつくり、料理本を出版することで人生を変えていったアメリカ女性たちの物語です。いずれも実話に基づいています。

1960年代に出版したフランス料理本で人生を劇的に変えた料理研究家ジュリア・チャイルド。そしてその50年後の2000年代、ジュリアの料理本のレシピをすべて一年間で制覇しようとブログに書く現代のジュリー・パウエル。ともに実在のアメリカ女性です。

映画はこの二人のアメリカ女性の人生を交差させながらパラレルに描いていきます。

ジュリーは外交官の夫の任地であるフランスでフランス文化の粋であるフランス料理に惚れ込み、かの有名な料理学校コルドン・ブルーに女性としてはじめて入学を許可されます。アメリカ人だから、自分らの直接の競合にはなるまいと考えられたためだったようです。

ジュリーはその後フランス料理の本をアメリカで出版することに成功し、アメリカ人の食卓を変えただけでなく、それ以後の自分の人生を劇的に変えていくことになります。

ジュリアはニューヨークでつまらない毎日を送っているOL。この状況をなんとか変えたいと始めたのがジュリーのフランス料理本のレシピを全制覇してブログに書くというプロジェクトなんでもいいから、とにかくなにか始めないと人生は変わらないということを本能的に感じていたためでしょう。その気持ちはわたしもよくわかります。

ジュリアはブログの記事が出版社の目にとまって出版が決定。きっと人生が変わっていくことでしょう。2009年当時ではまだこんな幸運もありえたといえるかもしれませんが。

偶然のチャンスを活かすのは、それまでに積み重ねた努力。努力の積み重ねなくして、チャンスに気づくことも、チャンスをつかむこともできません。

エンターテインメントとして楽しむだけでなく、料理で人生を変えるという側面から見てほしい映画でもあります。




料理と映画、そして活字本との関係

意外なことに、料理をテーマにした映画ガイドが、なぜか最近つくられていません。

かつては、『グルメのためのシネガイド』(淀川長治/渡辺祥子/田中英一、ハヤカワ文庫NF、1986)という本があったのですが、いかんせん、27年も前のものなので、増補改訂版かあたらしく編集した本がほしいところです。

ブログに情報があふれかえっているからかもしれませんが、そうはいっても首尾一貫した趣味嗜好のもとに、映画も料理も大好きな人が書いたものは一冊の本として読んでみたいものです。

そういえば、淀川長治さんが生前なんども強調していたのは、映画評論を目指すなら「映画だけ見ていてはダメ、本をたくさん読みなさい」ということでした。

淀川さんの念頭にあったのは、少年時代から読んでいた文学作品の数々。とくに映画との縁の深い谷崎潤一郎などが淀川さんの好みであったと記憶しています。

日本の料理本はビジュアル本として、見ているだけで楽しめるものとしてすぐれています。ところが、ジュリアの料理本 Mastering the Art of French Cooking(1961年初版)もそうですが、英語の料理本は写真も図版もなく文字しか書いてないものも少なくないです。

カラー写真や図版が入っているほうが料理をつくったときのイメージをアタマのなかに描きやすいものですが、文字情報からイメージを描き出すことも大いに訓練になるかもしれません。

淀川さんの教えは、映像やマンガだけでなく活字の本を読んだほうがいいということの意味を説いたものでもあるのでしょう。

とはいえ、「見る口福」を味わうことのできる料理映画は見て楽しいもの。できれば面白かっただけですませずに、映画の背景や意味などいろいろ考えながら見ることも必要でしょう。

料理をつくって人生を変えるってこともあるのですから。




・・ジュリアの自伝は日本語訳でも読めます


・・これがジュリアのフランス料理本。現在でもペーパーバックで入手可能


・・ジュリアの料理本。こちらも文字だけの料理本


<ブログ内関連記事>

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西川恵の「饗宴外交」三部作を読む-国際政治と飲食の密接な関係。「ワインと料理で世界はまわる」!
・・『大統領の料理人』の参考書として、『エリゼ宮の食卓』はぜひ読むことをすすめたい

『恋する理由-私が好きなパリジェンヌの生き方-』(滝川クリステル、講談社、2011)で読むフランス型ライフスタイル

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「生命と食」という切り口から、ルドルフ・シュタイナーについて考えてみる
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「スペイン料理」 の料理本を 3冊紹介

書評 『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』(岡田芳郎、講談社文庫、2010 単行本 2008)

『聡明な女は料理がうまい』(桐島洋子、文春文庫、1990 単行本初版 1976) は、明確な思想をもった実用書だ

『こんな料理で男はまいる。』(大竹 まこと、角川書店、2001)は、「聡明な男は料理がうまい」の典型だ

『檀流クッキング』(檀一雄、中公文庫、1975 単行本初版 1970 現在は文庫が改版で 2002) もまた明確な思想のある料理本だ

邱永漢のグルメ本は戦後日本の古典である-追悼・邱永漢

『きのう何食べた?⑥』(よしなが ふみ、講談社、2012)-レシピは読んだあとに利用できます

『きのう何食べた?⑦』(よしなが ふみ、講談社、2012)-主人公以外がつくる料理が増えてきてちょっと違った展開になってきた




料理と「引き出し」

なお、食事を食べてつくることについては、拙著 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)「第5章 引き出しの増やし方 応用事例編 「料理」を例に「引き出し」を増やしてみるとしたら」にくわしく書いておいたので、参照していただけると幸いです。

むかし富士山八号目の山小屋で働いていた (3) お客様からおカネをいただいて料理をつくっていた
・・わたし自身の「料理人」としての体験について語ってます

(2014年9月1日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)








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