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2012年12月18日火曜日

書評 『震災復興の先に待ちうけているもの-平成・大正の大震災と政治家の暴走-』(山岡 淳一郎、2012)-東日本大震災後の日本が「いつか来た道」をたどることのないことを願う


本日(2012年12月18日)は、「3-11」からすでに1年と9カ月たっている。あと四半期(=三か月)ではや2年になるわけだが、約90年前におこった大災害とその後の歴史を振り返る意味は大きい。

本書を読みながら、1923年の関東大震災、2011年の東日本大震災という二つの大震災後の政治状況が酷似していることには、ほんとうに驚かされる。ともに短命政権が続いた後の「政治空白」に起きた大震災、そしてその後の政治の迷走ぶり。

「3-11」後の政治状況にあきれ果てているのは、大地震と大津波、そして原発事故の遺族や被災者たちだけではない。

直接の被災者になっていない大多数の国民にとっても、政権と政権党である民主党が迷走していただけでなく、この状況のなかで、さらに国民一般に不利益になる可能性もあるTPP参加へ前のめりで強行しようとしている政治家のあさましさが目に余る状況であった。

こういう状況のなか、政治家たちからだけでなく国民からも、「関東大震災後に電光石火のスピードで復興プランをつくった後藤新平のような人がいれば・・・」というセリフをよく耳にした。

だが、後藤新平や昭和恐慌についての歴史ノンフィクションにも取り組んでいる著者が書いているものを読むと、関東大震災後の政治状況がけっして理想的に進捗したわけではなかったことを知ることになる。

当の後藤新平自身が政争の一翼を担っていたこと、関東大震災後に当時の世界標準であった「金解禁」に前のめりで踏み切ったのが井上準之介蔵相であったことなど、権力欲によって動かされ政治家たちの振る舞いには、90年の時を隔てても何の違いもない

著者の記述を読んでいると、2012年現在の政治家が劣化していることは言うまでもないが、90年前の政治家たちもまた、現在とくらべて、とくべつ優れていたわけでもないことがわかる。

また、大震災における米国による援助外交と実利追求姿勢もまた、関東大震災でも同様であったことを知るのも意味のあることだ。日米同盟はきわめて重要だが、「トモダチ作戦」(Operation Tomodachi)の背後にある米国の意図は冷静に考えてみたほうがいい。

首都直下型地震も「近い将来」に発生する確率が高いとさえ言われている現在、その被害規模は1923年に発生した関東大震災の比ではないだろう。寺田寅彦がすでに指摘していたように、文明が高度化すればするほど被害は逆に大きくなるからだ。

関東大震災後から22年後、「昭和恐慌」を経て戦争に突入していった日本は最終的にクラッシュした。今後の日本が再びクラッシュすることがないことを願うばかりだ。

そんななか、つい先日おこなわれた総選挙において、迷走の原因となっていた民主党が惨敗の末に下野し、ふたたび自民党が政権党となった。有権者の期待を一身に背負うことになった自民党だが、はたして「国家崩壊」を食い止めることはできるのだろうか? 民主党とは違う意味で暴走しないことを切に望む。求められるのは「自制心」だ。

90年前の轍を繰り返してほしくないのは、わたしだけではないはずだ。政治家だけでなく国民一人一人の自覚が不可欠なのである。


(注) 2012年3月26日に投稿した amazonレビューへの投稿に加筆修正した。





目 次

はじめに-大震災と政治家のふるまい
第1章 切り刻まれた復興プラン
第2章 国難のなかでの政争
第3章 財源の呪縛
第4章 アメリカの震災支援-博愛と打算
第5章 「TPP・金解禁」と恐慌
おわりに

著者プロフィール

山岡淳一郎(やまおか・じゅんいちろう)
1959年愛媛県生まれ。出版関連会社、ライター集団を経て、ノンフィクション作家へ。「人と時代」を共通テーマに近現代史、建築、医療、政治など分野を超えて旺盛に執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



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・・山岡淳一郎氏による上記の2冊は、戦後の自民党政治がなんだったかのを具体的に検証してみせてくれるすぐれたノンフィクションである


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「リスボン大地震」(1755年11月1日)後のポルトガルのゆるやかな 「衰退」 から何を教訓として学ぶべきか?






(2012年7月3日発売の拙著です)





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