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2012年9月28日金曜日

シンポジウム「これからの日中関係」(GRIPS主催 2012年9月27日)に参加してきた-対話のチャネルはいくらでもあったほうがいいのは日中関係もまた同じ


昨日(2012年9月27日)、東京・六本木の政策研究大学院(GRIPS)で開催された「これからの日中関係を考える」(Japan-China Relations: what next ?)というタイトルノシンポジウムに行ってきました。

本来は「日中国交正常化40年記念」のシンポジウムが開催予定だったそうですが、諸般の事情により中止となり、きゅうきょ企画されたとのことです。

基本的に日本語でしたが、同時通訳の英語があったのは、各国の大使館からの出席者も多いため。日中紛争は、国際的にも関心が高いということなわけですね。

講演者は以下のとおりです。

(パネリスト)
●加藤嘉一氏: 国際コラムニスト、ハーバード大学ケネディスクール 公共政策大学院 フェロー
●津上俊哉氏: 津上工作室代表、現代中国研究家・コンサルタント
●陳海騰氏: 百度(Baidu, Inc)日本駐在首席代表、バイドゥ株式会社取締役
●葛進氏: 科技日報東京特派員
(モデレーター)
●大江麻理子氏: テレビ東京アナウンサー
(総合司会)
●角南 篤: 政策研究大学院大学准教授

約3時間のパネルディスカッションで、とくにつよく印象に残ったのは、熱を帯びた発言をしていた加藤嘉一氏(日本)と、彼とは対照的に穏やかに語っていた陳海騰氏(中国)の二人。

1984年生まれの加藤嘉一氏は、「これまでの40年」よりも「これからの40年」にかかわる世代としての発言でしたが、「国民感情」と「国益」のせめぎ合いが生じているのは、中国も日本も同様といった観点のうえに立って、「建設的なNO」を言える関係であることの重要性を主張していていました。「建設的なNO」という点には賛成です。もちろん、なにが「建設的」と判断されるのかはわかりませんが。

陳海騰氏(中国)は、中国の検索最大手の百度(バイドゥ)の日本代表として、あくまでも「商売人」の立ち位置から一貫した発言をしていたことが印象に残りました。ビジネスパーソンはあくまでもビジネスについて語るという姿勢は、けっして悪くないと思います。ただし、政治について語らないということじたいが、じつはきわめて政治的なのではありますが。

上記の二人の発言だけでなく、「政府だけでなく、民間交流もふくめて、対話のチャネルはいくらでもあったほうがいい」ということにかんしては、まったく同感です。

コンフリクトが発生するのは、それだけ日中双方が経済的に相互依存しているからこそですね。1980年代後半の日米関係だって「半導体戦争」の頃は戦争前夜みたいな感じがありましたが、それは言うまでもなく日米経済の相互依存のレベルが高くなっていたからであります。

「日中友好」とか「熱烈歓迎」なんてフレーズは、日中国交回復時、つまりわたしが小学生だった40年前にはすごく流行りましたが、現在ではあまりにも美辞麗句でつかう気にもなりません。陳海騰氏は、さかんにこの「日中友好」というフレーズをつかっていましたが、やや耳障りな印象をもったのはわたしだけではないでしょう。

いずれにせよ、いやがおうでも付き合わざるをえないのが中国ですから、好き嫌いに関係なく、まずは知ることが重要です。「知彼知己者百戦不殆」という孫子の兵法ですね。彼(=中国)を知り、己(=日本)を知ること。

わたしは個人的には、現時点では安易に妥協するよりも、お互い言うべきことをぶつけ合う段階でいいのではないかと思ってます。

議論が平行線をたどることでしょうが、そのうちお互いバカバカしくなってくるのでは、という期待もあるでしょう。その暁には、なんらかの「建設的妥協」が成立するのではないかな、と。しかし、これはあまりにも希望的観測すぎますね。

いずれにせよ、日中間の主張のぶつけあいは言論戦となるわけですから、日本サイドが中国サイドに根負けして腰折れしないことを望みます。対外宣伝にかんしては、歴史的にみて中国のほうがはるかに上手(うわて)であることは認めざるを得ません。

「プリンシプル」(原理原則)は絶対に曲げてはいけません日本的な「水に流す」という態度は、国際交渉においては負けを意味するのですから。

国際社会という弱肉強食の世界で苦闘し続けてきた明治の先人のことを思い出したいものです。そこまでいかなくても、「日本人にはプリンシプルがない」と嘆いた白洲次郎のことを。

その意味では、外部環境としての日中関係の悪化は、太平の眠りを覚まし、平和な島でまどろんでいた日本人にスイッチが入ったことを感謝すべきかもしれませんね。もちろん、逆説的な意味ですが。

.
(付記) なお、この記事に書いたことは、わたしの個人的な感想やコメントであり、パネリストたちの意図とは異なるかもしれませんし、パネリストとたちの見解にすべて賛成するものではないことも明記しておきます。あくまでもシンポジウム聴講記として読んでいただきたいと思います。



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PS. この記事で満願成就-通算1,000本目の記事!

なお、この記事で当ブログの通算1,000本目の記事となります。よくぞ書きも書いたりという気分です。

「千夜一夜」、「千本ノック」といったものもありますが、比叡山の「千日回峰行」というものもあります。ブログ記事を書き続けるのも、ある意味では「行」(ぎょう)のようなものかもしれません。

まだまだやりますよ! 比叡山の「千日回峰行」を生涯に二回実行してる酒井雄哉師にならって、もう一巡はしないといけませんね!

「千里の道も一歩から」といいますが、地道にブログ記事を書き続けるという「行」(ぎょう)は、今後も続けて参ります。

今後もよろしくお願いします!





(2012年7月3日発売の拙著です)





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