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2012年4月3日火曜日

書評『平安朝の生活と文学』(池田亀鑑、ちくま学芸文庫、2012)-「王朝文化」を知るために

これ一冊を熟読すれば王朝文学の背景はすべてわかるスグレ本!

『平安朝の生活と文学』(池田亀鑑、ちくま学芸文庫、2012)は、これ一冊を通読するだけで、平安時代の国文学、すなわち王朝文学の背景はすべてわかるスグレ本です。

高校で学ぶ古文は、『徒然草』や『奥の細道』などを除けば、『源氏物語』や『伊勢物語』、『枕草子』など王朝文学が大半ですので、古文の勉強のお供にはぜひ読んでおきたい一冊です。

平安時代の宮廷貴族や女官たちがどういう生活をしていたのか、どんな所に住んで、何を着て、何を食べていたのかについて、『源氏物語』や『枕草子』といった女性が書いたものを材料に取り上げて解説しています。

また、後宮制度や宮仕えの動機、結婚の制度・風習、懐妊と出産、美人の条件や教養、娯楽、疾病、医療、葬送、信仰まで、その当時の女性の人生のほぼすべてについて書かれた、いわば「読む百科事典」になっています。参考書としてだけでなく、知的好奇心を満足させてくれる、読んでじつにたのしい読み物になっています。


じつはこの本は、わたしの高校時代の愛読書です。当時は角川文庫からでていましたが、何度も何度も読んで熟読していました。

わたしが現在でも、王朝文学を原文のままで読めるのは、この本で得た背景知識があるからにほかなりません。「ですます調」の語り口調で書かれていますので、素直に読める内容です。

いまから60年も前に書かれた古い本ですが、いまでもまったく古さを感じさせません。

高校生なら、この本を繰り返し何度も読んで古文好きになってください。すでに高校を卒業されている方々は、ぜひもう一度、古文にチャレンジする際には、この本をよき伴侶としていただきたいものと思います。

現在に至るまで、何度も版を変えながらも読み継がれてきたということは、この本が名著であることの何よりも証拠となっているでしょう。ぜひおすすめしたい一冊です。


<初出情報>

■bk1書評「これ一冊を熟読すれば王朝文学の背景はすべてわかるスグレ本!」投稿掲載(2012年1月31日)
■amazon書評「これ一冊を熟読すれば王朝文学の背景はすべてわかるスグレ本!」投稿掲載(2012年1月31日)


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葬送・服喪 
女性と信仰

著者プロフィール  

池田亀鑑(いけだ・きかん)

1896~1956年。東京帝国大学国文科卒業。大正大学、昭和女子大学、立教大学、東京大学などで教鞭をとる。ドイツ流の新しい文献学の方法を取り入れ、日本古典文学の文献学的研究を行なう。また、生涯を『源氏物語』の研究に捧げ、大著『源氏物語大成』(全8巻)を刊行。さまざまなペンネームを用い、多くの少年少女小説も発表。『池田亀鑑選集』(全5巻)をはじめ、多くの著書校注本がある(筑摩書房のサイトから)。 


<書評への付記>

初版は1952年! 60年前!

亀鑑(きかん)というのは、お手本のこと。『デジタル大辞泉』によれば、《「亀」は甲を焼いて占ったもの。「鑑」は鏡の意》行動や判断の基準となるもの。手本。模範。「教育者の―ともいうべき人物」、とある。

好きでないと、なかなか古文を読むこともないと思いますが、ぜひこの本だけでも通読されることをおすすめします。



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書評 『受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法-』(池谷裕二、新潮文庫、2011)記憶のメカニズムを知れば社会人にも十分に応用可能だ!


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