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2011年11月10日木曜日

書評 『警告-目覚めよ!日本 (大前研一通信特別保存版 Part Ⅴ)』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2011)-"いま、そこにある危機" にどう対処していくべきか考えるために


What if ~ ? (もし~だったらどうする)から始まる論理思考法の「型」を身につけるために

『目覚めよ!日本(大前研一通信特別保存版 Part Ⅴ)』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2011)の献本を「R+ レビュープラス」からいただいた。「大前研一 LIVE秘蔵映像~警告編~の DVD一枚がいっしょについている。

本書は、大前研一がさまざまな媒体に書いて、語った最近一年間の発言が再編集されて一冊にまとめられたものの最新版だ。

テーマは大きく分けて5つある。1.世界経済、2.日本社会、3.ビジネス・経営、4.震災復興編、5.教育・生活者である。項目だけ並べると、世界金融危機、債務危機、リーダー論、少子化、防衛問題、成長戦略、“脱日本”現象の危機! となる。

『目覚めよ!日本』というタイトルは、やや預言者めいた響きがなくもないが、この預言者のいうことには虚心坦懐に耳を傾けたほうがいい。

なぜなら、今年2011年は、なんといっても「3-11」を境に日本は激変したからだ。これと同時並行的に世界金融危機の再来がすでに現実のものとなってきている。米欧中のどおが破綻してもおかしくない状況なのだ。

原発事故後に YouTube に無料で公開された大前研一氏の解説映像をご覧になった方も多いのではないかと思う。あらためて、大前氏が原子力工学で博士号を取得した人であったことを、あるいは初めて知った人も多かったのではないだろうか。

その意味でも、他の論者とは大きく異なる独自な視点が、今年度版はより強く押し出されたものとなっているといってよいだろう。


本は目次を精読することから始めるべし

まずは目次をみておこう。目次をじっくりと読むことで、「警告」の内容と意味が明確になってくるだろう。それから、自分の興味にまかせて読み始めればよい。かならずしもすべての文章に目を通す必要はない。

では、さっそく目次を読んでみよう。


第1章:警告:世界経済編

<世界金融危機>
1. 警告!世界経済を吹き飛ばす「四大地雷原」
2. 「世界4000兆円マネーを吸い上げる」3つの処方箋
3. ついに「世界金融危機」の狼煙は上がった 

第2章:警告:日本社会編

 <債務危機>
4. 世界経済を読む知恵がない閉鎖国家日本 
5. 債務危機で日本政府が切れる唯一の「カード」

 <リーダー論>
6. 強力な政治家が出てこない限り、日本のプレゼンスは失われる

 <少子化>
7. 国力も産業も衰退させる「少子化」の破壊力   
8. 人口が激減する日本、どう国土を保全するのか

<防衛問題>
9. サイバー攻撃への対応は防衛省が担うべき

<成長戦略>
10. 大胆に債務削減し、1兆円規模の起業家支援を

<“脱日本”現象の危機!>
11. 海外脱出した日本企業は二度と戻らない  
12. 円高、電力不足、高税率で日本企業は「脱日本」  

第3章:警告:ビジネス・経営編

<経営>
13. もう日本の景気は良くならない。経営者は生き残りの道を探せ

 <サイバー企業の変革>
14. 存在感を強める米西海岸のサイバー企業、スマホ戦争でも優位に立つ
15. アップルは「ジョブズ的天動説」を崩せるか 
16.「暗号化」で油断したソニー       

第4章-警告:震災復興編

 <震災復興>
17. 生まれ変われニッポン!
① 東北を再建せよ!
② 再建資金を作れ!
③ 電力不足を解消せよ!
④ 新生日本を作れ!
18. これが東北復興、日本再生へと導く「最強プラン」だ!  

 <津波プレイン>
19. 被災地復興に「津波プレイン」のコンセプトを
20. 津波プレイン 

 <エネルギー問題>
21.「訣別」 

第5章:警告:教育・生活者編

 <教育>
22. 不景気は関係なし。「ヒット商品」が出ない本当の理由」
23. バカをつくる教育 
24. 混乱のいまを生き残るためにはさらなるブレーク・スルーが必要だ
25. 「構想」「IT」「経営」の三位一体からイノベーションは生まれる

 <ライフプラン>
26. メルトダウン寸前の日本経済-自分の将来をどう守るか 
27. 波乱の時代を生き抜く方法  
28. 投資するなら「肩から上」に。デフレもハイパーインフレも怖くないぜ! 
29. 引退後に住む場所の不動産に先行投資せよ  
30. 自分の楽しみとお金のバランスシートを作りましょう 

あとがき


「いま、そこにある危機」の本質を自分のアタマでシッカリと理解し、自分自身がいかなる方向に進むべきかを熟考し、アクションに移す!

何よりも重要なことは、組織であれ個人であれ、「いま、まさにそこにある危機」の本質を自分のアタマでシッカリと理解し、自分自身がいかなる方向に進むべきかを熟考し、アクションに移すことである。

その際に重要なのは、世界レベルの激変をけっして自分とは関係ない世界の話だとは思わないことだ。

世界レベルの外部環境をしっかりと理解したうえで、自分で企業経営をされている方であれば自社のマネジメントへの影響を考え、ビジネスパーソンとして企業に勤務しているのであれば自分の会社がどうなるのか、自分自身がどうすべきなのかを考え、すでにリタイアされている方や、ビジネス以外の世界にいる方もふくめて、すべての人が、外部環境の激変に備えたライフプランの根幹となるべき考えを理解しなくてはならない。

もちろん、大前さんの言っていることを鵜呑みにしていたのでは、いつまでたっても自分のアタマで考えることにはならないことは言うまでもない。大前氏の意見と事実とは厳密にわけて考える必要がある。

時にうなづき、時にはアタマのなかや、ブツブツいいながら反論してみる。賛成するにせよ、反論するするにせよ、本書で引用されているデータには自分であたってみる、計算してみる、こういった手間をかけながら読むことも必要だ。

かなり以前から大前氏による「警告」はなされているのだが、どうも人間というものはイヤなことはできるだけ考えたくない、先延ばしにしてしまいたいという・・が働きがちである。これは日本人に限った話ではない。

だが、この記事を書いている時点で、ユーロ崩壊の引き金になりかねないギリシア問題は、すでに解決不能状態に近づきつつあり、国家としての経済破綻であるデフォルトも視野に入ってきている。イタリアにも飛び火して国債利回りが上昇し、首相への事実上の不信任が可決し退陣が決まった。

このあとどうなっていくかは、ぜひ本書を読んで自分なりに考えていってほしい。そして同時にさまざまなメディアをクリティカルに読み解いて、自分なりの見解を作り上げていってほしい。

映像メディアはシークエンシャルなメディアなのでスキャンするのは難しいが、クルマを運転しながら音声だけ聴くということも可能。本ならとばし読みも可能だ。メディアの特性をよく考えて、書籍版(+DVD)か DVオンリーか選択すべきでしょう。

『目覚めよ!日本』といっても、日本そのものが目覚めることはないかもしれない。

しかし、個人としての日本人であるあなたがまず目覚めることによって、友人家族、そして「つながり」のある人々の目が覚めていくことになる。

まずは、あなた次第なのだ。



<書籍版>


<DVD版>


<ブログ内関連記事>

What if ~ ? から始まる論理的思考の「型」を身につけ、そして自分なりの「型」をつくること-『慧眼-問題を解決する思考-』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2010)

『BBT on DVD 大前研一LIVE』(トライアル版)を視聴してみた

「修身斉家治国平天下」(礼記) と 「知彼知己者百戦不殆」(孫子)-「自分」を軸に据えて思考し行動するということ

書評 『進化する教育-あなたの脳力は進化する!-(大前研一通信特別保存版 PART VI』(大前研一、ビジネス・ブレークスルー出版事務局=編集、2012)-実社会との距離感が埋まらない教育界には危機感をもってほしい
・・営利のインターネット大学ビジネスブレークスルー大学の学長である大前研一氏


 



(2012年7月3日発売の拙著です)







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