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2011年2月8日火曜日

「◆未来をつくるブック・ダイアログ◆『国をつくるという仕事』 西水美恵子さんとの対話」に参加してきた-ファシリテーションについて



 「◆未来をつくるブック・ダイアログ◆『国をつくるという仕事』西水美恵子さんとの対話」に参加してきた。

 詳細は以下のとおりである。

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◆未来をつくるブック・ダイアログ◆
『国をつくるという仕事』西水美恵子さんとの対話

http://www.sophiabank.co.jp/news/japanese/2011/02/post_63.html

【日時】 2011年2月7日(月)19時~21時
【会場】 日本財団CANPANセンター
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-15-16海洋船舶ビル8階
東京メトロ銀座線 「虎ノ門駅」4番出口より徒歩2分
【参加費】無料
【定員】 40名
【ゲスト】 西水美恵子さん(元世界銀行副総裁)
【使用書籍】『国をつくるという仕事』(英治出版刊、定価1,890円)
※必ず書籍をお読みになった上でご参加ください。
【内容】
※ファシリテーター:西村勇也さん(Dialogue Bar主催者)
・ご挨拶
・チェックイン(参加者同士の自己紹介等)
・西水さんからのお話
・対話(ワールドカフェ、オープンスペーステクノロジー等の形式)
・チェックアウト(各人一言ずつコメント)
・西水さんからのメッセージ

【主催】英治出版株式会社
【共催】日本財団CANPANプロジェクト
【協力】Dialogue Bar
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ファシリテーションというものについて

 実際の進行はシナリオどおりにはならないものだ。ファシリテーションというものは、フロー(=流れ)のなかで臨機応変にフレクシブルに変えてゆくものだからだ。コントロールではなく、マネージするものだ。

 当日の流れはこんな感じだった。まず、ひとりひとりの課題として、A4の紙一枚に3つの項目を書くことから始める。その課題とは、①名前、②職業など日常の活動、③この「ブック・ダイアローグ」に参加するに際して自分の思うことなど。

 そしてこの紙をテープで胸につけた入館証に貼り付けて自己紹介がわりにし、会場のなかを歩き回って、どういう人が参加しているかを知る。その5分間のプロセスのなかで会話(チャット)をかわしながら、4人一組のグループをつくる。そして、このグループのなかで、やや詳しい対話を行う。その対話のなかででてきたキーワードを、自分のコトバでひとりひとりがポストイットに書いて、ホワイトボードに貼る。

 これをもとにファシリテーターが進行役を務めて、会場から著者である西水美恵子さんとの対話を引き出していく。
 せっかくの機会なので、私がいちばん最初に発言させていただいたが、テーマはリーダーシップについてである。質問ではない。

 全体的にどうしても解答を求めた質問が多いように思われた。これに対してノウハウを求められても答えないと、いっけん突き放したようなコトバを返す西水さんの姿勢が印象的であった。解答は自分で考えるべきもの、考えるヒントは与えることはできても、安易な解答を与えること対話ではない、ということだろうか。「気づき」は与える側でなく、受け取る側のものである。

 そもそも人生相談ではないのだから、個々人の問題に的確に答えることができるわけがない。質問者たちの気持ちは、わからなくはないのだが、これらに対しては厳しいレスポンスを行うことも必要である。それこそが真のやさしさというものだろう。  

 仕事では私がファシリテーションする側なのだが、今回は招待されたとはいえ一参加者にすぎないので(・・それはまことにもって正しい扱われ方!)なので、ファシリテートされる側に徹するのは当然のこと。ダイアローグ(=対話)の場においては、すべての参加者が対等であることが前提条件になる。西水さんも "the world is flat" を実践されている方である。

 つくづく思うのは、ファシリテーションというのは、文字で書けば簡単で、技法そのものはそれほど複雑ではないのだが、実践するのはなかなか難しいものだなということだ。あらためてそう思う。

 ファシリテーションは、いつも『ハーバード白熱授業』のサンデル教授のようにはいかないものだ。何よりも、大学の授業とは違って理解へと導くのが求められているのではない。フロー(=流れ)を一定方向に誘導するコントロールではなく、即興性を最大限に活かしながら制御する技術はきわめて何度が高い。ファシリテーターを務めた西村勇也さん(Dialogue Bar主催者)、お疲れ様でした。私にとっての最大の学びは、ファシリテーションそのものであったかもしれない。その意味では、参加者全員に感謝したい。


「集団としての学び」のアドバンテージ
 
 2時間の対話セッションをいかに内容と意義あるものにするかは、ファシリテーターと参加者の呼吸が合うことが重要なのだ。その意味では、非常に有意義な2時間超であったといえよう。参加者がそれぞれに、さまざまな「学び」をもった。「学び」は、あくまでも受け取る側次第である。これが集団での「学び」のアドバンテージである。

 ここには詳細は書かないが、もちろん私もあらためて学ぶところが多かった。
 人の話を聞くということ自体が、アクティブ・リスニングを前提にした参加となる。
 当日でてきたキーワードは、正直であること、すっぱだかで向かいあうこと、自信をもつこと、信頼感、困難名状況を楽しむこと、などなど。

 ただダイアローグ・セッションが終わったあとに帰宅の電車のなかで思っていたのは、キーワードにまとめてしまうことの危険についてだ。キーワードというのは、コンセプチュアライズした結果の抽象的な表現なので、そうしてもアタマだけの作業に終わってしまいがちだ。

 リーダーシップ、エンパワーメント、ボトムアップ・・・こういったキーワードは、具体的なシチュエーションを想定して、自分ならどうすべきかを考えないと意味がない。

 ココロからそう思うのか、ハラに響いた表現なのか、具体的な実践をつうじて体感できるコトバになっているのか、ということが問われなければならない。キーワード自体はキレイにまとまったコトバだが、コトバだけが浮遊してしまう恐れがある。それが恐い。


一冊の本がもつチカラ-「ブック・ダイアローグ」について

 「ブック・ダイアローグ」というのは、著者と直接ダイアローグ(=対話)できるきわめて有意義な機会である。私にとっては初体験であったが、強くそう思った。

 私も、自分の本が出版された暁には(・・まだ企画が正式に通ってませんが)、ぜひ実施してみたいと思う。フェイスブックなどの SNS とも違う、リアルの交流の良さというものがあるからだ。

 『国をつくるという仕事』という一冊の本についてブログに書評を書いたことから始まったオディッセイ。

 本のもつチカラというものは、非常に大きなものがあるとあらためて実感している。人と人を結びつけ、ダイアローグ(=対話)をつうじて著者と読者との相互理解が深まり、そして多くの人を動かしていく。そういったチカラについてである。



<関連サイト>

「◆未来をつくるブック・ダイアログ◆『国をつくるという仕事』西水美恵子さんとの対話」にかんしてTwitter上でなされた発言が togetter にまとめられている


 「ワールドカフェ」と「オープンスペーステクノロジー」(OST)は米国発のきわめて面白い手法であるので、ここで解説を加えておくこととしよう。

「ワールドカフェ」

ワールド・カフェとは、「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる『カフェ』のような空間でこそ創発される」という考え方に基づいた話し合いの手法です。

HUMAN VALUE 社のウェブサイトより http://www.humanvalue.co.jp/report/positiveapproach/post.html

「オープンスペーステクノロジー」(OST:Open Space Technology)

1985年にハリソン・オーエン氏が開発した集合的意思形成を目的とした創造的かつ生産性の高いミーティングやコンファレンス手法。OSTは、"コーヒーブレイク"で見られる高い相互作用と創造性を、公式のミーティングの中で具現化することを意図している。OSTは、参加した人々の主体的な発案によってアジェンダや自ら参加するセッションなどが決まっていくなど、OSTの場は参加者の主体性に徹底的に委ねられていて、人々や組織の持つ自己組織化の力を生かすプロセスによって組み立てられている。

(HUMAN VALUE 社のウェブサイトより http://www.humanvalue.co.jp/glossary/ost.html




<ブログ内関連記事>

書評 『国をつくるという仕事』(西水美恵子、英治出版、2009)

「組織変革」について-『国をつくるという仕事』の著者・西水美恵子さんよりフィードバックいただきました

「雷龍の国ブータンに学ぶ」に「学ぶ」こと-第3回 日経GSRシンポジウム「GSR と Social Business 企業が動けば、世界が変わる」に参加して






(2012年7月3日発売の拙著です)







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