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2011年2月12日土曜日

エジプトの「民主化革命」(2011年2月11日)



 ついにエジプト情勢が大きく動いた! そのとき「歴史は動いた」!

 2011年2月12日 日本時間未明)、まさにその瞬間を Bloomberg.tv でカイロからのライブ映像をみていた。本日は朝からずっと Al Jazeera(アルジャズィーラ)の英語版をかけっぱなしにしている。

 北アフリカ、同じく地中海沿岸のチュニジアで発生した「民主化革命」が中東アラブ世界の中心エジプトにも飛び火、18日間に及んだデモは最終的に独裁者ムバラクを追放する形で幕を閉じた。まさに「ピープル革命」、ほぼ無血で終わった「民主化革命」である。

 世界中でもっとも若年失業者が高い中東・北アフリカ地域で、ついに「人口の時限爆弾」が爆発したのだ。2011年2月11日に実現したエジプトの「民主化革命」の最大の原因がここにあることが理解できる。


 うねりというか、津波(tsunami)というか、まさに「民主化のドミノ倒し」だ。

 かつてベトナム戦争のとき米国は、インドシナの「共産化のドミノ倒し」を怖れたが、米国はいまやチュニジアから始まった動乱の、中東・北アフリカのみならずイスラーム圏全体の「民主化のドミノ倒し」を怖れ始めているのではないか? 
 米国政府の「民主化」支持の公式見解とはウラハラに、「民主化」は必ずしも米国の国益には合致しない。タテマエとホンネの乖離。

 2011年のエジプトでは、火を付けたのは貧困層であるが、運動の中核はインターネットにアクセスできる中間層である。エジプトは、欧州とアジアをつなぐ結節点にある。いいかえれば、地中海とインド洋を結ぶ結節点である。スエズ運河は海運だけでなく、海底にインターネットのケーブルが通っている情報の通路でもある。
 2008年12月28日にエジプトのアレクサンドリア沖で海底ケーブル破損事故が発生して、欧州経由のインターネットのスピードに障害がでたことがあった。アレクキサンドリアからカイロを通ってスエズ運河までの「セグメント3」は、インターネットは陸上に敷設されたケーブルを通過する(下図を参照)。
 情報ネットワーク・インフラの観点からいっても、エジプトはきわめて戦略的に重要な国である。


(出所:http://www.seamewe4.com/img/map_2.gif

 しかし、今回の「民主化革命」においては、ツイッターやフェイスブックなどの SNS はあくまでもツールとして機能したにすぎない。過大評価しないほうがよさそうだ。エジプト当局がインターネット回線を遮断したが、デモの勢いは沈静化しなかった。

 いま起こっている「民主化革命」は、「ピープル革命」という性格をもっている。フィリピンの「ピープル革命」(1986年)を思い出す。
 32年前の「イラン・イスラム革命」では、バーザール商人が中心になったといわれている。2011年の「エジプト・民主化革命」では、一般大衆(ピープル)が政権をひっくり倒した。

 「エジプ民主化革命」が成就した2011年2月11日(エジプト現地時間)は、奇しくも、32年前の1979年の「イラン・イスラム革命」成就の日と重なったことになる。
 この30年間は、1981年10月のサッダート大統領暗殺後のエジプトは、ムバラク体制の30年であった。「イラン・イスラム革命」後の32年は、ムバラク体制のエジプトとまったく重なる期間であった。

 壺井栄の『二十四の瞳』の冒頭に、「十年一昔というなら・・・」という一節があるが、30年という歳月はまさに一世代に該当する。その意味では30年で政権交代というのも、人間の生理的自然に近い時間感覚だろうか?

 とりあえずエジプト国軍が全権掌握。一件落着である。実質的には国軍によるクーデターのようだが、真の実力者が国軍であるとしても、カリスマ的指導者を欠いたクーデターから、軍人が政治的指導者として登場することは歓迎されないだろう。1952年の「エジプト革命」の中心人物ナセル大佐(当時)のようなカリスマはいない現在のエジプト国軍、しかしスムーズに民政移管できるかどうかは現時点では不透明である。

 この「民主化革命」の津波は、中近東だけでなく、イスラーム圏全体に拡散していくだろう。中国にも当然のことながら影響は及ぶ。「幻の東トルキスタン共和国」のウイグル民族は言うまでもなくムスリムであり、民主化と民族主義、そしてイスラームという宗教が重なったときの破壊力はすさまじいものがあろう。何よりも、そこには「大義」があるからだ。

 「民主化」は世界中のだれもが「理念」としてはウェルカム、しかし秩序が崩壊して無秩序状態になることは誰もが望まない。「生活者」の感覚というものは、多かれ少なかれ、こういうものではないだろうか。

 このジレンマをどう解決していくか。果たして解決は可能なのだろうか?


<関連サイト>

インターネット海底ケーブル SEA-ME-WE-4

新たな“情報の生命線”始動へ--日米をつなぐ光海底ケーブル「FASTER」が陸揚げ (CNet Japan、2015年6月18日)

(2015年6月19日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

本日(2011年2月11日)は「イラン・イスラム革命」(1979年)から32年。そしてまた中東・北アフリカでは再び大激動が始まった

書評 『中東激変-石油とマネーが創る新世界地図-』(脇 祐三、日本経済新聞出版社、2008)

『イスラエル』(臼杵 陽、岩波新書、2009)を中心に、現代イスラエルを解読するための三部作を紹介
・・中東・北アフリカの大激動でもっとも大きな影響を受けることになるのがイスラエル。今後の動きは、イスラエルとエジプトの両国関係とイランが大きな意味をもつ




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