「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

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2010年1月15日金曜日

JALの「法的整理」について考えるために


             
 JAL(日本航空)の「会社更生法」による法的整理がさきほど政治決定されたが、この件についてはおそらく一筋縄ではいかないだろう。

 「民事再生法」が施行されてから、「会社更生法」を利用した会社再建は少なくなっているが、乱暴にいってしまえば、両者の違いといえば、現経営陣をが温存されるかどうか、というくらいの違いでしかない。
 上場廃止のうえ、100%減資の方向というから、とくに個人株主の損害はきわめて大きなものであろう。
 幸いなことに私自身は、JAL はまったく乗らないし、マイレージも微々たるものである。私は、もうずいぶん以前からANA もそのメンバーである、スター・アライアンス派である。

 京セラの稲盛さんが、最高責任者である CEO を受諾したが、前途多難であろう。
 民主党の政権交代実現にむけて長年にわたってバックアップし、京都市出身の国土建設大臣・前原議員の後見人でもある稲盛氏は、現在77歳のいま、おそらく「最後のご奉公」として受諾したのだろう。
 新しい事業を始めるに当たって、つねに「動機善なりや」を自問するという稲盛氏のことだから、今回の JAL の CEO 受諾は、少なくとも動機は善であり、再建可能性もあると踏んでいるのであろう。

 このような一般世間の見方に水を差すような意見もある。
 ダイヤモンド社のビジネス情報サイトである「ダイヤモンド BUSINESS ONLINE」に、こういう記事がアップされている。辻広雅文(ダイヤモンド社論説委員)氏の執筆になる、「3人の財界人が語る「稲盛日航」が危ういこれだけの理由」。
 これは目を通しておいた方がよい。JAL 最大の問題は労務問題であることは、知る人はみな知っている。複数の組合が併存する JAL は、まことにもって面妖な会社であり、JR として民営化される以前の旧国鉄のような存在であるといっても、言いすぎではないだろう。
 辻広氏は、カネボウから招聘された伊藤淳二・鐘紡会長(当時)について書いている。
 伊藤氏については、もう知る人も少ないだろうが、当時ペンタゴン経営とかいって、カネボウの多角化を推進し成功させた経営者であるが、カネボウのその後は周知のとおり、再生機構送りとなった。

 JAL の企業体質については、2009年11月17日に配信されたメールマガジン、609studio No.409◆現代時評:「JAL とはいったい何者か」、に目をとおすことをおすすめしたい。
 【609 Studio 】メール・マガジンは、「まぐまぐ」(京都市)が配信している。ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版がメインなのだが、もともと10年以上前に、ロシア・ビジネスでとくに極東ロシアにかかわった時から購読している。
 近年は、極東ロシアに対する私の関心が薄れてしまっているのだが、「現代社会を斬る!」をコンセプトにした、論説委員 Ken氏の論説「現代時評」が実に面白いので、いまだにこのメルマガは解除しないでいるのだ。

 さて、「時評」執筆者の Ken氏はおそらく70歳台ではないかと思うのだが、自ら手がけたビジネスを成功させ、政財界にわたる幅広い人脈にまつわる実体験に基づいたコメントが実に興味深い。
 Ken氏は「時評」をこう結んでいる。

■■幸か不幸か、ご本人は近年物故したが、彼の伊藤淳二日航社長擁立のいきさつは、誰かのネット寄稿「論壇:沈まぬ太陽余話 (3)」で、落選候補者の黒幕振りとともにとくとお読み願いたい。 要するに、かってJALを食い物にした悪役連中の半分は、いまなお生きていて、再起を狙っていると解すべきである。 
■■ そこでボクの結論。JAL はこの際解体し、すべての古いしがらみを断ち切り、新会社として出直すのが無難である。 夜が来れば太陽は沈む、永遠に沈まぬ太陽など造ってはならない。

 「論壇:沈まぬ太陽余話 (3)」、誰の執筆かしらないが、豊富なインサイダー情報源をもっていたジャーナリストであるようだ。
 アップされたのは9年前で、しかも非常に長い読み物だが、JAL の行く末に関心ある人は、モニターみてると眼精疲労になるかもしれないが、ぜひ一読するといいと思う。「論壇」そのものの性格は、この際わきにおいやっておく。
 「沈まぬ太陽」とは、山崎豊子執筆の大河小説のタイトルであり、昨年、渡辺謙主演で映画化されたのでご存じの人も多かろう。この小説が、いかに真実からほど遠いことも、そこには存分に書き込まれている。

 結論からいえば、「伏魔殿」のような組織体が JAL なのである。
 これはもちろん、まじめに日々働いている社員の皆様とは関係ない話である。現場で働く皆さんは、浮き足立つことなく、黙々と日々の業務に励んでいただきたい。

 御巣鷹山の墜落事故から今年で25年。
 悪夢のような墜落事故が、二度と起こらないことを切に祈りつつ。


PS 参考資料
 1985年夏の暑い日に起こった「御巣鷹山の墜落事故」については、「JAL123便墜落事故記録」がネット上にアップされているので参考まで(音声に注意!)
 フライトレコーダーの音声とダッチロールを続ける日航機を地図上にプロットして追跡するものだが、あまりにも迫真に満ちているので、心臓が弱い人は閲覧は控えたほうが無難だ。

(*以前、記していたサイトが削除されているので、違うものでリプレースした 2011年1月31日)
          

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書評 『未完の「国鉄改革」』(葛西敬之、東洋経済新報社、2001)-JALが会社更生法に基づく法的整理対象となり、改革への「最後の一歩」を踏み出したいまこそ読むべき本