「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2010~2016 禁無断転載!



2009年7月12日日曜日

「東京大学総合研究博物館小石川分館」と「小石川植物園」を散策(2009年7月12日)






 小石川植物園に久々にいってみた。東京大学総合研究博物館小石川分館にいくためである。常設展示の「驚異の部屋 -The Chambers of Curiosities」を見に行くのが目的だ。本日は気持ちいい天気で、かっこうの散歩日和であった。

 「驚異の部屋」とは、ドイツ語のヴンダーカマー(Wunder-kammer)のこと、16世紀から18世紀にかけてヨーロッパで盛んに作られた、好奇心の対象がごった煮になって詰め込まれた部屋のこと。博物館の前身にあたる。

 試みに Google で Wunderkammer とそのままドイツ語で画像検索してみると、実に多種多様な Wunderkammer の実例をみることができるので、ぜひ試してみてほしい。

 さらに深い関心がある人は、『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』(小宮正安、集英社新書ヴィジュアル版、2007)がおすすめだ。


 さて日本のヴンダーカマーはいかに?

 またまた、本日も小学生に戻ってしまった。ワーオ、と何度も連発したくなるのだ。こんな空間が日本にも、しかも東京大学にあったとは!

 さすが東大、明治の先人たちのサイエンスへのあくなき情熱をひしひしと感じることができるのだ。



 ナチュラル・ヒストリー(博物学)と、ナチュラル・サイエンス(自然科学)がまだ完全に分離していない時代のあくなき好奇心。

 望遠鏡に巨大地球儀、数々の動物剥製、人体模型、鉱物標本に化石、数々の生物標本、人体解剖模型、牛の解剖模型、骨格標本・・・

 さらには、まだまだ国産品がなかった時代の顕微鏡やさまざまな計測機器、タイプライターなど機器の数々、いやあ学問への情熱がみなぎってますねー。なんだかうれしくなってくるなあー!


 せっかくだから、小石川植物園も久々に散策してみることに。正門まで歩くのにはかなりの距離がある。入場料は330円、門前のたばこ店のおばあさんから購入する。


 現在は東京大学大学院理学系研究科附属植物園という形で東大が管理運営する資産になっているが、もともとは徳川綱吉が命じて作らせたという薬草園から始まっており、なんと300年以上の歴史をもつというから、世界に誇れる植物園なのだ。

 今回の収穫は「精子発見60周年記念(昭和31年)」のイチョウの大木を見ることができたことだ。実にうれしい発見だった。





 イチョウは雌雄に分かれており、精子と卵によって受精することを世界で初めて発見したのが、東大に画工として雇われていた平瀬作五郎であったとプレートに書いてあった。1896年のことである。
 
イチョウの受精については高校一年の生物学で学んだが、日本人が世界で初めて発見したことは聞いた記憶がない。こういう事実はもっともっと声を大にして世に知らしめなくてはならないのではないか。


 さて、そもそもの出発点であった薬草園は、実にこじんまりしたものになってしまっている。雑草も生え放題になっているのはなぜだろうか? 

 かなり以前に東邦大学薬学部(千葉県習志野市)の薬草園を見学する機会があったが、医学部薬学科のある東邦大学では薬草園はかなりきちんと管理されていた。小石川の薬草園はもはや現役ではないのか?


 もともと生物学志望だった私は、世界の植物園(ボタニカル・ガーデン:botanical garden)は数々みてきた。ゲーテも訪れたというイタリアのパドヴァの植物園、スペインのマドリー、ポルトガルのリスボン、それからアジアでは英国の植民地だったセイロン(スリランカ)の熱帯植物園などなど。

 また井の頭公園の温室植物園は子供のころ毎週のように通っていたほどだ。(注:残念ながら2013年3月末で閉園となったそうだ・・・)

 その中でも、なんといってもオランダの植民地であった、インドネシアのボゴール熱帯植物園が世界最高である!という印象をもっている。


 小石川植物園は春の桜の名所として有名だが、歴史ある植物園として、本来あるべき薬草園にはもっと力を入れてもらいたいものだと思う。

 世界の植物園(ボタニカル・ガーデン)がヨーロッパ起源のものが大半のなかで、中国の本草学の影響のもとにあるとはいえ、小石川は日本が独自に作った薬草園である。

 明治の先人の燃えるような情熱は、回顧すべき対象として博物館に展示するだけでなく、その精神を現代に呼び覚まし、活かさねばならないのである。イチョウの精子を発見した平瀬作五郎のような、学問的素養のない一般庶民までが学問に貢献した明治という時代の精神を。
  
 日本人は世界に誇るべき多くの業績を残してきたし、これからも残すことができるはずなのだから。





PS 読みやすくするために改行を増やし、写真も大判にした。記事を書いてからすでに5年になるが、この間に展示が終了した常備展や閉鎖された植物園があることがわかった。ボタニカルガーデンは教育施設でもあるので、きわめて残念。博物学への情熱をなんとか日本人のあいだにふたたびかき立てることができないだろうか・・・ (2014年5月10日 記す)





<関連サイト>

小石川植物園 東京大学大学院理学系研究科附属植物園

「驚異の部屋 -The Chambers of Curiosities」 (残念ながら、2012年9月30日に閉鎖)
・・東京大学総合博物館小石川分館は現在は「建築ミュージアムとして 2013年12月14日にリニューアル・オープン)

インドネシア・ボゴールの熱帯植物園 (小石川植物園後援会ニュースレター第26号 2004年掲載記事)

井の頭公園の熱帯鳥温室が展示終了へ (博物月報 2013年3月30日)

(項目新設 2014年5月10日)




<ブログ内関連記事>

書評 『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』(小宮正安、集英社新書ヴィジュアル版、2007)-16世紀から18世紀にかけてヨーロッパで流行した元祖ミュージアム

銀杏と書いて「イチョウ」と読むか、「ギンナン」と読むか-強烈な匂いで知る日本の秋の風物詩

市川文学散歩 ①-葛飾八幡宮と千本いちょう、そして晩年の永井荷風

"粘菌" 生活-南方熊楠について読む-

「植物学者 牧野富太郎の足跡と今(日本の科学者技術者シリーズ第10回)を国立科学博物館」(東京・上野)にいってきた

「石に描かれた鳥たち-ジョン・グールドの鳥類図譜-」(玉川大学教育博物館)にいってきた(2013年1月26日)-19世紀大英帝国という博物学全盛時代のボタニカルアート

マロニエはマロン(栗)にあらず

秋が深まり「どんぐり」の季節に
・・食料としてのドングリ、木材としてのオーク材について触れている

(項目新設 2014年5月10日 情報追加 2014年8月2日)


   



(2012年7月3日発売の拙著です)





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!



end